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積分因子 (せきぶんいんし、) とは微分方程式の解法に用いられる関数である。常微分方程式の解法で最もよく用いられ、積分因子を掛けることにより不完全微分から完全微分(積分するとスカラー場を与える)を得ることができる。特に熱力学の分野で用いられ、そこではエントロピーを完全微分にするために温度が積分因子となる。 2変数の方程式の場合には積分因子は必ず存在する。 == 積分因子を用いた常微分方程式の解法の例 == 次のような1階の線形常微分方程式を考える。 : この方程式に対し、適当な積分因子を (1) 式の両辺に掛け、左辺に積の微分の公式を適用できるようにすると、 : : となるから、(3) 式を積分して : となり、これよりもとの微分方程式の解として : が得られる。 次に積分因子を具体的に求める。(2), (3) 式それぞれの左辺が等しくなるようにをとっていることから、 : となり、がつぎの微分方程式 : を満たすことがわかる。この式を変形すると、 : : したがって : となる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「積分因子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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