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公的年金(こうてきねんきん、)とは、社会保障の観点から財政援助や税制優遇措置を与え、国が行う年金である。日本の公的年金には、老齢年金として国民年金、厚生年金、共済年金がある。厚生労働省の調査では、公的年金の支給総額(年金総額)が2009年度に50兆円に達し、名目国内総生産(GDP)に対する割合が1割を超えた。年金の受給者数が3703万人と前年度比で3.1%増え、加入者数は0.9%減の6874万人に減った。 公的年金に拠出された掛け金は積み立てられ、年金積立金管理運用独立行政法人が運用している。2012年現在の運用資産の総額は約107兆円である。外国の公的年金は運用について、積み立て方式であっても利息などによる増加を見越して十分な額を給付しようという試みもある〔例えば、シンガポールでは個人単位で積み立てたものを政府が運用する方法で給付を確保しようとしている。〕。 == 積立方式と賦課方式 == 年金制度には、積立方式(つみたてほうしき)と賦課方式(ふかほうしき)とがあり、積立方式とは若い現役時代に払い込んだ金を積み立て、老後にそのお金を受け取る仕組みである。賦課方式とは、働く現在現役の人が払い込んだ金を現在の高齢者に支給する仕組みであり、この賦課方式によって「世代間扶養」が実現できる〔世代間扶養の賦課方式を基本とする年金制度 厚生労働省〕。 現在、公的年金は老後の収入源として重要な位置を占めているが、昔からそうだったわけではない。たとえばアメリカでも「ニューディール政策」以前には公的年金制度はなかったし、今でも国民全員の加入が義務付けられているわけではない。以前は、家族単位で働き盛りの現役世代が老いた両親と子どもを養い、それが世代ごと受け継がれてきた。現在の賦課方式の年金制度は社会全体で高齢者を扶養をする仕組みに変わった。いつの時代でも老後のための貯蓄や積立方式の個人年金だけで生活している高齢者はごく少ない。しかし、このために多くの先進諸国は財政赤字に直面しているという現実がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「公的年金」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Social pension 」があります。 スポンサード リンク
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