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空気質指数(くうきしつしすう、)または大気質指数とは、いくつかの国や地域で採用されている大気汚染の程度を示す指標。環境を担当する行政機関が市民に対して発表するもので、観測値だけではなく予測値も発表される地域がある。 アメリカ合衆国環境保護庁 (EPA)のAir Quality Index (AQI)の他、カナダのAir Quality Health Index (AQHI)、メキシコの (IMECA)、イギリスのDaily Air Quality Index、欧州連合 (EU)のCommon Air Quality Index (CAQI)、韓国のComprehensive Air-quality Index (CAI)、シンガポールのPollutant Standards Index (PSI)、マレーシアのAir Pollutant Index (API)、中国の、香港のAir Pollution Index (API)など、それぞれの国や地域で名称・算出法・区分が異なる指標が用いられている。 日本には空気質指数はなく、「光化学スモッグ注意報」などの大気汚染注意報が市民への情報発表となっている。 == アメリカ == アメリカでは、アメリカ合衆国環境保護庁 (EPA)がAir Quality Index(AQI、空気質指数)を定め、主要都市で大気汚染物質濃度の観測を行うとともに指数を発表している。アメリカ合衆国大都市統計地域 (MSA)のうち人口35万人以上の都市(2000年国勢調査では138都市)については、毎日発表しなければならないと定められている。観測値に基づく当日の指数だけではなく、予報に基づく当日から翌日の指数も発表している〔“Technical Assistance Document...”、アメリカ環境保護庁、2009年、1-6,20-24頁〕。 AQIは6段階で、指数が100を超過するとSensitive Groups(敏感なグループ)に影響が生じるとされる。汚染物質ごとのSensitive Groupsは以下の通り。 * オゾン:肺疾患(呼吸器疾患)を持つ人、子供、高齢者、屋外で運動をする人 * 粒子状物質 (PM10, PM2.5):肺疾患や心疾患を持つ人、子供、高齢者 * 一酸化炭素:心疾患を持つ人 * 二酸化硫黄:喘息を持つ人 100を超過するかしないかが健康影響の重要な判断基準とされている。した(する)場合には、主要報道機関に通知され、市民に広く伝えられることとなっている〔。 各汚染物質の濃度と指数の関係は下の表による。両者の関係は、比例のように濃度が上がるにつれて指数も単調に上がるものではなく、0-50、51-100などの区間ごとに定められている区分線形関数である事に留意する必要がある。 上の表を参照しながら、以下のように算出する〔“Technical Assistance Document...”、アメリカ環境保護庁、2009年、14-16頁〕。 : :は観測濃度または予測濃度、 :は表中での値が当てはまる濃度区間の下限値、 :は表中での値が当てはまる濃度区間の上限値、 :は表中での値が当てはまる指数区間の下限値、 :は表中での値が当てはまる指数区間の上限値。 (例)PM2.5が40.9μg/m3だったとすると、濃度区間は40.5 - 65.4、指数区間は101 - 150となるので、 : となり、PM2.5のAQIは102 (Unhealthy for Sensitive Groups)となる〔。 複数の大気汚染物質についてそれぞれ指数を算出し、最も高い値をその地点のAQIとし、その値の物質を主要汚染物質とする。例えば、ある地点のオゾン(8時間値)がAQI 108、PM10がAQI 57、PM2.5がAQI 65、一酸化炭素がAQI 37、二酸化硫黄がAQI 43だったとすると、最も高い値である108がその地点のAQI、主要汚染物質はオゾンと発表される〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「空気質指数」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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