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空阿弥陀仏 : ウィキペディア日本語版
空阿弥陀仏[くうあみだぶつ]
空阿弥陀仏(くうあみだぶつ、空阿(くうあ)とも。久寿2年(1155年) - 安貞2年1月15日1228年2月28日))は、平安時代後期から鎌倉時代前期にかけての。同時代の僧侶明遍と同じく「空阿弥陀仏」の号を持つが、別人である。両者を区別するにあたっては、本稿の空阿弥陀仏を指して「法性寺の空阿弥陀仏」と呼ぶ例が見られる〔『法然上人行状絵図(勅修御伝)』第十六巻(明遍)、第四十八巻(法性寺の空阿弥陀仏)参照。また、信瑞撰『明義進行集』においては明遍を「有智の空阿弥陀仏」、法性寺の空阿弥陀仏を「無智の空阿弥陀仏」と名付けて区別している。〕。なお、本稿では「法性寺の空阿弥陀仏」と統一して記述することとする。
== 生涯 ==
法性寺の空阿弥陀仏の来歴について、詳しいことはわかっていない。かつて延暦寺の僧であったが、比叡山を下りた後は京都に向かい、そこで法然に弟子入りして専修念仏に励むようになったとされる。修行生活に関しては清貧な態度を貫き、経典も読まずにひたすら称名念仏するのみであった。また、極楽の「七重宝樹の風の響き」や「八功徳池の波の音」を想像させるとして風鈴の音を愛していたことも有名で、あちこちの道場で人々から尊敬されていた〔『法然上人行状絵図』第四十八巻参照。〕。法性寺の空阿弥陀仏は法然の死後も活動を積極的に行ったが、比叡山延暦寺が専修念仏停止の強訴を朝廷に起こしたことをきっかけに、嘉禄3年(1227年)7月、隆寛幸西の2人とともに流罪に処されることとなった(嘉禄の法難)〔『吾妻鏡』は嘉禄3年7月の記述において、『百錬抄』の「専修念仏者配流の官符請印。隆寛律師(還俗名山遠里)陸奥に配す。空阿弥陀仏(改名原秋澤)薩摩。成覺(改名枝重)壱岐嶋。 」、『明月記』の「山門の訴え強盛す。神輿を振るべきの由、頻りに以て騒動するの間、今日雅親卿参陣す。左大弁結政に参る。張本隆寛(本山僧、律師)・空阿弥陀仏・成覺等流罪と。」を引く。〕。しかし彼は、流罪先の薩摩へ赴く前に入滅したとされている〔http://jodo.or.jp/jodoshu/people/ryokan.html〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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