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窒素固定能 : ウィキペディア日本語版
窒素固定[ちっそこてい]
窒素固定(ちっそこてい)とは、空気中に多量に存在する安定な(不活性)窒素分子を、反応性の高い他の窒素化合物アンモニア硝酸塩二酸化窒素など)に変換するプロセスをいう。
自然界での窒素固定は、いくつかの真正細菌細菌放線菌藍藻、ある種の嫌気性細菌など)と一部の古細菌メタン菌など)によって行われる。これらの微生物には、種特異的に他の植物や、動物シロアリなど)と共生関係を形成しているものもある。また、放電紫外線内燃機関での燃焼により、窒素ガスの酸化によって窒素酸化物が生成され、これらがに溶けることで、土壌に固定される。
また、人工的に窒素分子を他の窒素化合物に変換する手法も幾つか開発されており、工業的に非常に重要な位置を占めている。
== 生物学的窒素固定 ==

ある種の細菌がもっている酵素ニトロゲナーゼは、大気中の窒素をアンモニアに変換するはたらきを持ち、この作用を生物学的窒素固定といい、窒素固定を行う微生物をジアゾ栄養生物(diazotroph)という。
ニトロゲナーゼによる窒素固定反応は、次式のように表される。
: N2 + 8H+ + 8e- + 16 ATP → 2NH3 + H2 + 16ADP + 16 Pi
この反応による直接の生成物はアンモニア(NH3)であるが、これはすぐにイオン化されてアンモニウム(NH4+)になる。生きているジアゾ栄養生物であれば、ニトロゲナーゼで作られたアンモニウムは、グルタミンシンセターゼ/グルタミン酸シンターゼ経路によって同化され、グルタミン酸塩となる。また、亜硝酸菌硝酸菌といった硝化細菌の存在下では、最終的にアンモニウム塩は硝酸塩として、植物が利用できる形になる。
生物学的窒素固定はオランダの微生物学者、マルティヌス・ベイエリンクとロシア(ウクライナ)のセルゲイ・ヴィノグラドスキーによって発見された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「窒素固定」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nitrogen fixation 」があります。



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