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立ち去り型サボタージュ : ウィキペディア日本語版
逃散[ちょうさん, とうさん]
逃散(ちょうさん)とは、日本の中世から近世にかけて行われた農民抵抗の手段、闘争形態である。兆散とも言う。古代律令時代本貫から逃れて流浪する逃亡及び律令制解体後に課税に堪えずに単独もしくは数名単位で他の土地に逃れる逃亡・欠落とは区別される。
==江戸時代以前==
の住民(百姓など)が集団で荘園から退去して一時的に他の土地へ逃げ込み、領主に対して年貢軽減や代官の罷免などを求めるようになる。彼らは一味神水などの儀式を行うことで団結を図り、不当な課税や検断に対して抵抗した。要求が受け入れられた場合には帰住し、百姓申状の提出や起請文の作成、争いの対象になっていない年貢の皆済など所定の手続きを経ていれば合法的な抵抗手段として認められていた。
律令制の土地支配が解体し、荘園制度が行われるようになった平安時代からこうした現象がみられたが、他にも留守宅に妻子を残したり、逃散と称して実際には家に閉じこもって領主側の命令を拒絶するという抵抗方法もみられた。東大寺の荘園であった伊賀国黒田荘玉瀧荘の記録には、「篠を引く」「柴を引く」という表現で登場する。これは逃散時に依代として用いられていた篠や柴を家や田畑に掲げたり、囲い込むことによって領主側の立入や侵害行為を防止する意図があった。
御成敗式目42条には、所定の年貢を皆済して逃散した場合、領主側が「逃毀」を主張して妻子や家・田畑を差し押さえることを禁じている(ただし、異説もある)。
南北朝時代から増加し「山林に交わる」「山野に入る」などと記録されるようになり、戦国時代には、戦乱に伴って山賊海賊などの被害が多く、また重い年貢を課されたため逃げ出すものが多く、領主たちにはこのような領民が出ないようにする統治能力も求められていた。
1488年加賀において守護富樫政親追放し、門徒領国を形成した加賀一向一揆は、領主と戦った例として知られる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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