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立合い[たちあい] 立合い(たちあい)とは、相撲において、両力士が蹲踞(そんきょ)の姿勢から立ち上がって取組を開始する瞬間のことを言う。 == 原則 == 力士同士が呼吸をあわせて「立ち合う」のが語源。審判など第三者によらず、競技者同士の合意によってはじめて競技が開始されるという意味で、対戦形式のスポーツの中ではきわめて稀有な形態である(詩人ジャン・コクトーは「バランスの奇跡」と讃えた〔永六輔『役者 その世界』p191、岩波現代文庫、2006年〕)。なお、行司の掛け声である「はっきょい(発気揚々・発気用意)〔はっけよい 〕〔08.相撲の「発気用意」の出典について 〕、残った」を立合いの合図であるという認識が広く浸透しているがこれは誤りである。アマチュア相撲においては、スポーツとしての整合性などから、競技者同士が両手をついた状態で、審判が競技開始を合図する形式もとられている。 普通は、蹲踞の姿勢から立ち上がり、両者目を合わせつつ腰を落とし、上体を下げ、片手を着き、両者の合意の成立した時点でもう片手をついてから相手にぶつかって行く。気が合わない場合はこれを中止して、気が合うまで繰り返す。かつては気が合うまではいくらでも繰り返したが、1928年1月場所から制限時間が設定されている(ラジオの大相撲放送開始に合わせたものである)。当初は幕内10分、十両7分、幕下5分であったが、1960年代からは幕内4分、十両3分、幕下以下2分と定められている。 現在では、大相撲をはじめ多くの土俵に2本の仕切り線が引かれ、それより前に手を着いて立ってはならないと定められている。これも、制限時間導入とともに定められた。古くは、互いの立ち位置まですべて立合う両力士の合意にもとづいておこなわれた。両者が頭をくっつけあって仕切る写真も現存する。相手を特定範囲の外へ出せば勝ちとなる競技で、競技開始位置まで競技者同士の判断にゆだねられていたというのは、近代的な視点ではおおらかというより大雑把と言うべきであるが、それで問題が生じたという逸話もなく、ことさら立ち位置によって有利を得ようとする力士もいなかったのだろう、と解釈されている。なお仕切り線より後ろにさがる分には特に規定はなく、好きなところで仕切って良い。近年では、舞の海の奇策を警戒して、貴闘力が徳俵いっぱいまでさがって立合った事もある。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「立合い」の詳細全文を読む
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