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ボルネオール
ボルネオール (borneol) は竜脳、ボルネオショウノウとも呼ばれる二環式モノテルペン。化学式は C10H18O、分子量は 154.14。香りは樟脳に類似しているが揮発性がそれに比べると乏しい。骨格が樟脳と等しく、樟脳を還元することによってボルネオールを得ることができる。光学異性体が存在し、(−)体("''d''-ボルネオール"、図)は竜脳樹(''Dryobalanops aromatica'')やラベンダーに、(+)体はタカサゴギク等に含まれる。 歴史的には紀元前後にインド人が、6~7世紀には中国人がマレー、スマトラとの交易で、天然カンフォルの取引を行っていたという。竜脳樹はスマトラ島北西部のバルス(ファンスル)とマレー半島南東のチューマ島に産した。香気は樟脳に勝り価格も高く、樟脳は竜脳の代用品的な地位だったという。その後イスラム商人も加わって、大航海時代前から香料貿易の重要な商品であった。アラビア人は香りのほか冷気を楽しみ、葡萄・桑の実・ザクロなどの果物に混ぜ、水で冷やして食したようである。 == 参考文献 ==
* Merck Index 13th ed., 1328. * 山田憲太郎著 『香料の歴史』 紀伊國屋書店、1994年、ISBN 4-314-00654-4。
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