|
童子教(どうじきょう)は、鎌倉時代から明治の中頃まで使われた日本の初等教育用の教訓書。成立は鎌倉中期以前とされるが〔- 1996 〕、現存する最古のものは1377年の書写である〔kotobank〕。著者は不明であるが、平安前期の天台宗の僧侶安然(あんねん)の作とする説がある〔斎藤〕。7歳から15歳向けに書かれたもので〔酒井憲二、調布日本文化 9, 六五-八三, 1999-03-25、田園調布学園大学〕、子供が身に付けるべき基本的な素養や、仏教的、儒教的な教えが盛り込まれている。江戸時代には寺子屋の教科書としてよく使われた〔。女子向けの「女童子教」など、「○○童子教」といったさまざまな対象に向けた類書も書かれた。 ==内容== 〔斎藤〕初めの部分である。 白文 *夫貴人前居 顕露不得立 *遭道路跪過 有召事敬承 *両手當胸向 慎不顧左右 *不問者不答 有仰者謹聞 *三寶盡三禮 神明致再拝 *人間成一禮 師君可頂戴 *過墓時即慎 過社時即下 *向堂塔之前 不可行不浄 *向聖教之上 不可致無禮 読み方 *それ貴人の前に居ては 顕露(けんろ)に立つことを得ず *道路に遭うてはひざまづいて過ぎよ 召すことあらば、敬ってうけたまわれ *両の手を胸にあてて向え 慎んで左右を顧みず *問わずんば答えず 仰せあらば謹んで聞け *三宝には三度礼を尽くせ、神明には再拝を致せ *人間には一礼を成せ、師君には頂戴すべし *墓を過ぎるときは即ち慎め やしろを過ぐる時は即ちおりよ *堂塔の前をむかって、不浄を行うべからず *しょうぎょうの上に向って、無礼をいたすべからず 説明 *偉い人の前に出たときは目立とうとしてはいけない。 *道で会った時は跪いて通り過ぎるのを待ちなさい。用事をもうしつけられたら、敬意をもって聞きなさい。 *昔は心は胸にあると考えられていた。慎み深い態度を保ち、左右をキョロキョロみてはいけません。 *質問されなければ、答える必要はありません。何かおっしゃられる時は恭しく聞きなさい。 *仏法の三宝(仏、法、僧)に対しては3度礼をして敬意をしめしなさい。神社では2度の礼をしなさい。 *知り合いにあったら1度頭をさげなさい。師や偉い人には敬意をこめてお辞儀をしなさい。 *お墓の前を通り過ぎる時は、慎ましくしなさい。神社の前を通り過ぎる時は乗り物からおりなさい。 *お寺の堂塔の前では不謹慎なふるまいをしてはいけません。 *尊い教えが説かれている時は、静かに耳を傾けなさい。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「童子教」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|