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見立て殺人(みたてさつじん)とはあるものに見立てて事件が装飾された殺人のこと。殺人が絡まないものも含めて単に「見立て」とも言い、推理小説におけるテーマの1つである。 見立てる対象によって「童謡殺人」「筋書き殺人」などとも呼ばれる。 == 概要 == 童謡や言い伝えなどある特定のもののに見立てられて、死体や現場(発見現場ないし殺害現場)が犯人に装飾させられている殺人事件のことである(殺人にまで及ばないこともある)。筋立て通りに殺人が行われるという異様な不気味さを狙ったもので、トリックというよりもプロットに属するが〔江戸川乱歩「類別トリック集成」(『続・幻影城』)〕、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』や横溝正史の『八つ墓村』のように、見立てることがトリックという例も少なくない。 江戸川乱歩は「類別トリック集成」の中で「童謡殺人」「筋書き殺人」という名称で見立て殺人を取り上げている。この中で乱歩は故人の言葉や古文書などの筋書き通りに恐ろしいことが起きるという着想は日本の古い物語や、オラクル、亀卜のような占い、また聖書などにも見られ、それら同じ恐ろしさを探偵小説に応用したものと解説している〔。 上記のように推理小説(ミステリー作品)における見立て殺人の目的は、読者に異様な不気味さを与えるというものである。他方、それを実行する犯人の理由は様々であり、基本的には先入観を与えることで次の標的候補、犯行順序、犯行現場、凶器を予測させて探偵役(ひいては読者)を欺くことにあるが、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』のような異常な心理が主因という場合もままある。ただし、トリックに関係しない場合でも、見立てられないままに起こった殺人などをきっかけにして、犯人の糸口をつかむということはある。 推理小説の歴史における最初期の見立て殺人はイギリス推理小説における童謡殺人であり、後述するようにマザー・グースを題材にした作品がよく見られる(ただし、乱歩は1919年発表の谷崎潤一郎『呪われた戯曲』を「筋書き殺人」の例に挙げている〔谷崎は推理小説家ではないが、乱歩は評論「日本の誇り得る探偵小説」(『悪人志願』)の中で彼の推理小説家としての一面を高く評価している。他にも谷崎の『途上』を「プロバビリティーの犯罪」を扱った最初の作品と称えている。〕。この年にはフランスのモーリス・ルブランが、孤島に伝わる詩に沿って連続殺人が行われる『三十棺桶島』を刊行している)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「見立て殺人」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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