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競走車とは、オートレースの競走にのみ用いられる二輪車のことである。 かつては四輪車など〔小型自動車競走法第9条 〕によるレースも行われていたが、現在は二輪車のみで行われているため、本項では二輪競走車に限定する。 == 特徴 == フレームはダイヤモンドフレームの一種であるが、一般向けのオートバイのフレームと異なり、ボルト接合の部分が多く、分解整備が行いやすい。なお競走車のフレームは専門メーカーにより製作されている。用途が特殊過ぎて転用できないため市販車はない。 オーバルコースを反時計周りに周回し、車体を左へ40度から50度〔JKA・競走車(2輪車)構造基準 - 1 車体関係〕傾けた状態で走行する時間が長いことから、ハンドルは左側が高い左右非対称になっているが、これは競走車を傾けた時点でハンドルが水平になるようにするためである。フロントサスペンションは選手がスプリングフォークまたはオイルフォークのどちらかを選択して装備する。スプリングフォークはダンパーの併用も可能な規則になっている。リアサスペンションはリジットである。走行中に車体へ右膝を押し当てて安定を保つため、ガソリンタンクの下に膝当てが装着されている。 タイヤは住友ゴム工業製ダンロップブランドのバイアスタイヤ、KR-73S を統一使用する。これはかつてのレース向けタイヤとして使われていた KR73 をオートレース仕様にしたもの〔バイクブロス・月刊ROAD RIDER2009年7月号 JKA AUTO RACER 〕で、市販のタイヤと異なり外周部のゴムを増やしたためトレッド中央部が厚く、断面が三角形で2つの頂点がリムに嵌り辺が接地する極端な形状となっていて、車体を傾斜させたときに接地面積が広くなるように作られており、オーバルコースをより効率よく走行することができる。タイヤは左右対称かつ前後輪共用で、ある程度の使い回しにも対応している。寒冷期には、トレッドパターンは同じであるがコンパウンドが低い気温に対応した KR-73W を前輪に使用している。 ブレーキは装備していない。これは最高時速150キロメートル毎時(以降km/h)で車体同士が接近するオートレースにおいて、過度の減速は大事故に繋がりかねないためである〔川口オート・競走車の特徴と性能 〕。代わりに、スロットルグリップを一杯に戻すとキャブレターのスロットルバルブが全閉となり、通常のオートバイに比べずっと強力なエンジンブレーキが掛かることで減速を行う。また左足に鉄製の「スリッパ」を装着し、これを走路に擦り付けることでの減速も行う。 ギアは細かいギアチェンジをレース中に行う余裕がない〔ブレーキと同様に、ギア操作およびギア抜けによる加速不良での追突事故を避ける意味合いがある。〕ことと軽量化のため、スタートから直線数十メートルまでのローと、最初のコーナーからゴールまで用いるワイドレンジのトップによる2速のみしか存在しない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「競走車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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