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竹害[ちくがい] 竹害(ちくがい)とは、かつて筍を採るために栽培されていた孟宗竹の竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する現象のことである。 == 解説 == 近世に日本に移入された外来植物である孟宗竹は、1950年代頃までは木材や筍を得るために管理された竹林にて栽培されていた。竹林の周囲は深さ1メートル程度の空堀を掘り巡らすなどの対策がなされていた。しかし輸入品の筍が出回って筍栽培が経済的に成立しなくなり、竹材の需要も減少すると、各地の竹林は管理されなくなっていった。 元来繁殖力が異常に強い樹種である孟宗竹は、これによって竹林の周囲に無秩序に進出し、既存の植生を破壊していった。孟宗竹が進出するとアカマツやクヌギ、コナラなどかつて里山で優勢であった樹種が置換され、生態系が単純化してしまうことや、孟宗竹は土壌保持力が低いため崖崩れが起きやすくなるなど、各種の害が発生することが現在問題視されている。 特に竹害が激しいのは京都府、静岡県、山口県、鹿児島県、高知県、愛媛県などである。このうち静岡県を例に取ると、1989年から2000年までの間に県内の竹林は1.3倍に拡大したとされる。 ただし上記のような植物からなる群落は遷移の段階から見れば途中のものであり、次第に常緑広葉樹に置き換わるべきものである。したがって、竹群落からの遷移や、あるいは照葉樹林との競合を考えた場合、一過的なものとの見方もある。しかし乾燥化や様々な環境悪化によって、遷移がうまく進まない場合があることも問題となろう。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「竹害」の詳細全文を読む
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