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第2代シェルバーン伯ウィリアム・ペティ : ウィキペディア日本語版
ウィリアム・ペティ (第2代シェルバーン伯)

初代ランズダウン侯爵、第2代シェルバーン伯爵ウイリアム・ペティ(, 、1737年5月2日 - 1805年5月7日)は、イギリスの政治家、貴族、軍人。
アイルランド貴族の分流の生まれ。1760年庶民院議員として政界入り。翌1761年に爵位継承で貴族院議員に転じる。ホイッグ党大ピット派の政治家として頭角を現し、1778年に大ピットが死去するとその派閥を継承。アメリカ独立に反対し、1782年に国王ジョージ3世からの要請でロッキンガム侯に対する牽制として彼の内閣に入閣。ロッキンガムの死後には代わって首相(在職1782年-1783年)に任じられたが、アメリカ独立を認める仮講和締結を余儀なくされ、その批准をめぐって庶民院の採決に敗れ、1783年2月に辞職。退任後は政界から退き、彼の派閥は小ピットに引き継がれ、近代トーリー党(後の保守党)となる。
父がシェルバーン伯に叙された1751年から自身が爵位を継承する1761年までフィッツモーリス子爵儀礼称号を使用。1761年にシェルバーン伯位を継承し、1784年ランズダウン侯に叙せられた〔。首相在任時の爵位はシェルバーン伯だった。
== 概要 ==
1737年13世紀以来の歴史を持つアイルランド貴族ケリー=リックナウ男爵(ケリー伯爵)の分流である初代シェルバーン伯爵ジョン・ペティの長男として生まれる。オックスフォード大学クライスト・チャーチで学ぶ(''→出自と生い立ち'')。
陸軍に入隊し、七年戦争に従軍した。軍人としては大将まで昇進する(''→陸軍軍人として'')。1760年庶民院議員に当選して政界入り。その翌年にはシェルバーン伯爵位を継承して貴族院議員となる。ホイッグ党大ピット派に属した。1766年に大ピット内閣が成立するととして入閣するが、1768年に大ピットに従って下野した(''→政界入りと大ピット内閣閣僚'')。
1778年に大ピットが死去するとその派閥を継承した。彼はアメリカ独立を認めることに強く反対し、アメリカ独立を承認するロッキンガム侯率いる派閥と対立した。また彼が議会外大衆の議会改革運動に理解を示したのに対し、ロッキンガムは議会外運動を嫌った。こうした思想の違いから両派は野党共闘をとれなかった(''→シェルバーン伯派を率いる'')。
アメリカ独立に反対する国王ジョージ3世の後押しを受けて1782年3月に成立した第2次ロッキンガム侯内閣に内務大臣として入閣し、親国王派閣僚として首相ロッキンガム侯に敵対的な態度をとった。同内閣においてアメリカ独立を無条件に認めることに反対し、アメリカ独立を無条件に認めるべきと主張する閣僚チャールズ・ジェームズ・フォックスと対立を深めた(''→ロッキンガム侯内閣の閣僚'')。
1782年7月にロッキンガム侯が死去すると国王により首相に任じられた。引き続きアメリカとの交渉を行い、両国間に何らかの紐帯を残そうとしたが、戦争に敗北した以上アメリカの要求を呑むしかなく、結局アメリカ完全独立を認めた。さらにミシシッピー川以東の領土割譲と英米自由貿易強化などを盛り込んだ仮講和条約を締結した。しかしフォックスら野党の反発を招き、1783年2月に仮条約批准は否決され、これにより辞職を余儀なくされた。しかし後任のポートランド公内閣()も結局仮講和条約とほぼ同じ内容のパリ条約締結を余儀なくされている(首相として)。
首相退任後の1784年ランズダウン侯爵に叙されたが、退任後は事実上政界から引退。彼の派閥は小ピットに引き継がれ、近代トーリー党(後の保守党)となっていく。1805年に死去(首相退任後)。
政党政治に超然としていたことから保守反動政治家と思われて不人気だったが、概して啓蒙的な意見の持ち主だった(人物)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ウィリアム・ペティ (第2代シェルバーン伯)」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 William Petty, 2nd Earl of Shelburne 」があります。



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