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第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地 : ウィキペディア日本語版
第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地[とっきゅうたい]
第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地海上保安庁組織規則,第118条・第119条及び別表 〕(だいさんかんくかいじょうほあんほんぶはねだとくしゅきゅうなんきち)とは、海上保安庁第三管区海上保安本部が特殊な海難に対応するために東京国際空港(羽田空港)内の第三管区海上保安本部羽田航空基地に隣接して設置された特殊救難基地〔である。高度な技術を用いて、人命救助・災害対応を行うことを任務としており〔、所属する隊員は、船舶火災、海上での毒物・劇物の流出、転覆船舶などへの高度な救助技術を持つスペシャリスト集団として紹介されている〔海上保安レポート2010 救難のスペシャリスト 〕。
特殊救難隊(とくしゅうきゅうなんたい)の呼称でも知られ〔〔海上保安庁のすべて,世界の艦船増刊 2009年11月号,海人社,P62〕平成27年台風第18号等に係る関係省庁災害対策会議(第3回)平成27年9月11日 における使用例 〕、他の呼称としては、特救隊(とっきゅうたい)〔またはSRTSpecial Rescue Team)、漫画からの名称でトッキュー隊などがある。
== 概要 ==
1974年11月に発生したLPGタンカー第十雄洋丸と貨物船パシフィック・アレス号の衝突事故(第十雄洋丸事件)を契機に、東京消防庁特別救助隊等から教育・研修を受けて〔いつ時点の研修なのか不明〕、特殊救難隊として、1975年(昭和50年)10月に創設された〔〔。第三管区海上保安本部警備救難部救難課内であり、当初人員は5名であった〔〔特殊救難隊40周年機動防除隊20周年,海上保安庁 〕。
現在は第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地()となり、羽田空港内の羽田航空基地()に隣接した二階建ての建物が基地の所在地になっている。なお、羽田特殊救難基地としての設置は、1986年(昭和61年)4月になる〔。
羽田特殊救難基地の組織は、指揮官として基地長がおり〔第7回(平成6年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者 〕〔国立印刷局官報検索 (2011/04/14: 羽田特殊救難基地 基地長転任)〕、次長・専門官・管理係長が置かれ、実働部隊として、それぞれ6名(隊長1名・副隊長1名・隊員4名(火災及び危険物・レンジャー・潜水救急救命士)の隊員からなる、第一から第六の6個隊(計36名)が編成されている〔。隊長は一隊から六隊の各隊の長である。隊員は各管区で行われる「競技会」にて優秀な成績を収めた救難強化巡視船潜水指定船に乗船している潜水士から選抜される。隊の能力の均一化を図る目的で年1回、第一隊〜第六隊の隊長及び基地長を交えて隊員の入れ替え(通称「ドラフト会議」)が行われる。なお、東京消防庁特別救助隊等から指導を受け創設されたために現在も消防機関から指導を受けている〔”海猿”特殊救難隊レポート,海上保安新聞,2014年8月28日号 〕。
三管に属してはいるが出動地区に限定は無く、通常の各巡視船の装備・人員では対応が難しい特殊な海難(船舶火災、毒物劇物の流出、転覆・沈没船からの救助)が発生した場合、各管区海上保安本部からの出場要請に基づいて航空機ヘリコプターなどを乗り継いで現場海域へ急行する。船舶火災の消火、危険物が流出している現場での救難、転覆船に潜り込んでの要救助者捜索及び救助、ヘリコプターから降下しての人命救助など、高度で専門的な知識や技能を必要とする特殊海難に対応する。 なお、通常、羽田特殊救難基地の隊員が到着した段階で、救助作業の指揮権は、各現場責任者から羽田特殊救難基地に移管される。
海難救助などに出動するため、羽田特殊救難基地と羽田航空基地は、建物は別だが同じ敷地内にあり、海上保安庁で最大のヘリコプターである、アエロスパシアルAS332L1「MH805(JA6805) わかわし1号」「MH806 わかわし2号」の2機やガルフストリーム VLAJ500 うみわし1号」「LAJ501 うみわし2号」の2機の小型ジェット機等が配備されている。
また、基地の隊員は海難救助以外でも海外で大規模災害が発生した際には、他の管区の機動救難士潜水士も含めて国際緊急援助隊救助チーム(消防庁警察庁、海上保安庁ほか)の一員となり、世界中の被災した地域に派遣されることがある。2011年、ニュージーランドで発生したカンタベリー地震の災害に際し、クライストチャーチにも派遣されている〔「国際緊急援助隊救助チームニュージーランド南島に派遣」,海上保安レポート201 1〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地」の詳細全文を読む



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