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第四間氷期[だいよんかんぴょうき]
『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。「序曲」「プログラム カード No.1」「プログラム カード No.2」「間奏曲」「ブループリント」の5章から成る。日本で最初の本格的長編SF小説だとされている〔奥野健男「安部公房――その人と作品」(『世界SF全集27 安部公房』)(早川書房、1974年)〕。万能の電子頭脳「予言機械」を研究開発した博士が、実験台として或る中年男の未来を予言しようとするが、ハプニングに見舞われ事態が思わぬ方向に導かれ、やがて「予言機械」による人類の苛酷な未来予測像と、己の運命が明らかとなる物語。受け容れがたい人類の未来が博士自身の予言機械の未来像であり、それに適応するために、己の研究組織により現在の己が否定されることになるというパラドックスと葛藤が描かれ、日常性と未来の関係、現在にとって未来とは何かを問うている〔安部公房「あとがき」(『第四間氷期』)(講談社、1959年)〕。 == 発表経過 == 1958年(昭和33年)、雑誌『世界』7月号から翌年1959年(昭和34年)3月号に連載され、同年7月5日に講談社より単行本刊行された〔「作品ノート9」(『安部公房全集 9 1958.07-1959.04』(新潮社、1998年)〕。刊行に際して、初出誌版を大幅に加筆・改稿し、特に最終章の「少年」の登場場面には多くの加筆がなされ、また再刊にあたっても、印刷段階での数多くの脱落部分や誤植個所が修正され刊行された〔。文庫版は新潮文庫で刊行されている。翻訳版はD.E. Saunders 訳(英題:Inter Ice Age 4)をはじめ世界各国で行われ、高い評価を受けた〔。 なお、1966年(昭和41年)、雑誌『映画芸術』4月号に映画脚本化されたものも掲載されたが、映画化は実現しなかった〔〔『新潮日本文学アルバム51 安部公房』(新潮社、1994年)48-49頁〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「第四間氷期」の詳細全文を読む
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