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箱根の坂[はこねのさか]
『箱根の坂』(はこねのさか)は、司馬遼太郎の歴史小説。戦国大名のさきがけとなり、戦国時代の口火を切った北条早雲の生涯を描く。 1982年(昭和57年)6月から1983年(昭和58年)12月まで『読売新聞』誌上で連載された。
== 概要 == 本作で司馬は、室町時代後期に国人・地侍といった有力農民層の台頭を見抜き、無為徒食なそれまでの地頭的存在を許さず領主たる守護が直接すべての領民の上に立つ新しい統治機構を構築した北条早雲の業績を、「日本の社会史において重要な画期であり、革命とよんでもいい」〔「あとがき」より〕と高く評価している。また本作に先立つ随筆でも、訓令を発布して民をよく撫育し領民達に慕われたその人物について、「政治の基礎に民政をすえた日本最初の政治家」〔文春文庫『この国のかたち 一』P219〕と評している。 後世後北条氏の祖として高名になる早雲の前半生は、現存する史料が乏しく不明な点が多い。そのため、本作では駿河に下って今川氏の客将として活躍し始めるまでの「伊勢新九郎」としての前半生の大部分が作者の創作で補われており、その後の後半生も史実の他に伝承などで語り継がれてきた早雲の人物像を取り入れたり、作中の時代や舞台にまつわる民話や今様などが盛り込まれ、巧みに物語を構成している。特に、東国へ下る主人公、義兄妹の禁忌を超えた愛情など、恋愛文学の古典『伊勢物語』からは幾つものモチーフが引用されている〔河出書房新社『司馬遼太郎の戦国時代』P41-44〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「箱根の坂」の詳細全文を読む
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