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簿記(ぼき、)とは、ある経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することである。より平易な言い方をすると「お金やものの出入りを記録するための方法」が簿記である〔浜田(2005)pp.20-21〕。今日では、最も一般的な簿記である「複式の商業簿記」を指して単に「簿記」と称することが多い〔〔家計簿や小遣い帳も単式簿記といわれる簿記の一種であるといえる。浜田(2005)p.21〕。簿記は、会計学よりも会計における実務に近い部分を担当する。 == 歴史 == 貨幣経済の誕生・発展の中で貨幣の量の勘定・記録が必要となり、発明された〔。 ローマ時代の古代彫刻の中に商業帳簿が彫られていることが確認されており、その歴史は古代へさかのぼると推察されている。ローマの他、ギリシャ・バビロニア・アッシリア・エジプトなどでも古代の時点で簿記が存在していたことが推定されている。しかし、その頃の簿記は、まだ単式簿記であった。 その後、14世紀から15世紀にかけてのルネッサンス期にヴェネツィア商人によって複式簿記が発明されたと考えられている〔浜田(2005)pp.22-23〕。イタリア人数学者ルカ・パチョーリ (Luca Pacioli) が1494年に出版した『算術、幾何、比及び比例要覧』(通称『スンマ』、原題: Summa de arithmetica, geometria, proportioni e proportionalità)の中で複式簿記が紹介されており、この本は組織的に行われた複式簿記の存在を記述する最古の文献として知られている。なお、この本で複式簿記が紹介されたことが、ヨーロッパ中に複式簿記が広まるきっかけとなった。当時のイタリアでは、前期的商業資本の台頭に伴い、商品生産・商品取引が発展しつつあった。そのような経済状況の中で、それまで普及していた債権・債務の記帳法(擬人法)は継承しながら、商品勘定(口別商品勘定)などの物的勘定、資本勘定及び名目勘定(損益勘定)を導入して、組織的簿記が完成された。 現在では、単に「簿記」という場合、「複式簿記」を指すのが一般的である〔。複式簿記においては、たとえば財貨で物品を購入した場合、物品を得たという事実と財貨を失ったという、取引における2側面を遺漏なく記録しようとする〔。ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、「簿記こそ、人間の精神が生んだ最も美しいものの1つである」と述べている〔。 日本では、1873年(明治6年)6月に福澤諭吉が日本初の簿記書である『帳合の法』初編を出版したのに続き、10月には加藤斌の『商家必用』、12月に大蔵省の『銀行簿記精法』と、西洋式簿記書が相次いで刊行され、洋式簿記の導入が始まっている。当時はまだ「簿記」の訳語はあてられていなかったが、その経緯の詳細は別節「和訳の由来」で説明する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「簿記」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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