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コクゾウムシ(穀象虫、学名 ''Sitophilus zeamais'')は、コウチュウ目(鞘翅目)・オサゾウムシ科のゾウムシの一種。世界各地に生息するイネ科穀物の有名な害虫で、和名もそれを表したものである。また、日本では縄文時代後期の土器圧痕からの検出例があるなど穀物栽培の開始と同時に見られるとして〔レプリカ・セム法を用いた研究において、山梨県都留市の中谷遺跡から出土した縄文晩期前半(清水天王山式期)の土器資料2点から昆虫圧痕が検出されている。長沢宏昌・保坂康夫・中山誠二・野代幸和「山梨県中谷遺跡の縄文時代晩期のコクゾウムシSitophilus zeamais」『山梨県考古学協会誌』(第18号、2008年)〕、稲作とともに渡来したとするのが定説であったが、これを覆すとされる発見がなされている〔種子島の遺跡で出土した縄文土器から1万5000年前のコクゾウムシの圧痕を発見。『朝日新聞』2011年3月29日〕。 主食である稲(米)を食い荒らす事から「米食い虫」の異名が付けられている。 体長は2.1–3.5mmとゾウムシ上科の中では小さい部類に入る。体は赤褐色や暗褐色で、やや細長い。背面には細かく密な点刻がある。発達した強固な後翅をもち、飛行能力も優れている。体も小さく、穀物の貯蔵庫などに容易に侵入する。 口吻で穀物に穴をあけて産卵し、孵化した幼虫は穀物を食い荒らす。気温が18以下であると活動が休止、23以上になると活発に活動する。1匹のメスが一生に産む卵は200個以上とされる。 米びつに紛れ込んだ場合、成虫は黒色なので気がつきやすいが、幼虫は白色なので気づきにくい。ただしどちらも水に浮くので慎重に米研ぎをすれば気づくことがある。もし万が一気づかずに炊いてしまったり、食べてしまっても害はない。 赤褐色のコクゾウムシは、農家の間では越冬コクゾウムシ(冬を越している)、暗褐色はその年に孵化したものと言われている。(確証は低いが大体の農家はそのように判別していることが多い) また、光に反応するため、米に虫が湧いたという状態になった場合は、ムシロに米を広げてコクゾウムシを排除する方法をとっている。 == 近縁種 == 同属種として、次のようなものが知られている。 ; ココクゾウムシ (Rice weevil) ''Sitophilus oryzae'' (Linnaeus, 1763) : やや小型 (2.0–2.8mm) で、日本を含めた世界各地に分布。 ; グラナリアコクゾウムシ (Wheat weevil) ''Sitophilus granarius'' (Linnaeus, 1758) : やや大型 (3.0–4.0mm) で、日本未発生。 ; ''Sitophilus linearis'' (Herbst, 1797) : 日本未発生。 ; ''Sitophilus rugicollis'' (Casey, 1892) : 日本未発生。 画像:Sitophilus.oryzae.7438.jpg|ココクゾウムシ 画像:Sitophilus.granarius.jpg|グラナリアコクゾウムシ 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コクゾウムシ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Maize weevil 」があります。 スポンサード リンク
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