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粘弾性体 : ウィキペディア日本語版
粘弾性[ねんだんせい]

粘弾性(ねんだんせい、)とは粘性弾性の両方を合わせた性質のことである。基本的にすべての物質が持つ性質であるが、特にプラスチックゴムなどの高分子物質に顕著に見られる。
== 概要 ==
一般に粘性は液体の、弾性は固体の性質と考えられる。どちらもそれぞれにおける変形のしやすさ(しにくさ)を表すものであるが、その様相には大きな差がある。固体は加えられた力に応じて変形するが、加えた力がなくなれば元の形に戻る。液体の場合にはやはり変形するが、力がなくなっても元には戻らない。
ところが、例えばビニールの場合、引っ張ると伸びるが、力を抜いてもすぐには戻らず、ゆっくりと元に戻る。また卵の白身は液体に見えるが、かき混ぜた箸をはずすと多少だが跳ね返るように戻る。これらの物質は粘性と弾性を兼ね備えているために、このような挙動をすると考えられる。
ある物質が粘弾性体か、あるいは粘性体または弾性体に近いのかは、その物質に一定のひずみを与えたときの応力緩和(応力の時間変化)の緩和時間を見ることで判別できる。緩和時間が観測の時間スケールに対して十分短ければ粘性体、長ければ弾性体、同等のスケールであれば粘弾性体として扱われる。このことから、緩和時間と観測時間スケールの比はデボラ数と名付けられ、判別の目安として用いられる。
層流状態の粘弾性流体と、乱流状態のニュートン流体(を粗視化してみた流れ)とが示す振る舞いが似ていることが指摘されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「粘弾性」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Viscoelasticity 」があります。



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