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ポンペ病[ぽんぺびょう]
ポンペ病(ぽんぺびょう、Pompe Disease)は、糖原病の1つ(II型)であり、細胞内酵素であるα1,4グリコシダーゼの欠損によりあらゆる細胞のライソゾームにグリコーゲンが大量に蓄積する病態である〔「ヴォート 基礎生化学」 東京化学同人社発行 ISBN 978-4807907120〕。常染色体劣性遺伝形式をとる〔厚生労働省難治性疾患克服事業ライソゾーム病に関する調査研究班 〕。糖原病の中ではマッカードル病(V型)、コーリー病(III型)と並び患者数が多い〔難病情報センター 〕。長く有効な治療法がなかったが、欠損酵素の補充を目的とした治療薬「マイオザイム」が開発されたことにより、近年最も劇的な治療上の進歩を遂げた疾患の一つである〔〔日本小児神経学会 〕。2001年に日本ではライソゾームに関連した酵素が欠損しているために、分解されるべき物質が老廃物として体内に蓄積してしまう先天代謝異常疾患の総称である「ライソゾーム病」として特定疾患に指定されている。酸性マルターゼ欠損症(AMD)とも呼ばれる〔日本ポンペ病研究会「診断治療ガイドライン」 〕。 == 概要 == オランダの病理学者・が1932年に初めて報告した〔。α1,4グリコシダーゼの欠損によりあらゆる細胞のライソゾームに正常な構造のグリコーゲンが大量に蓄積し、心筋機能の障害などを引き起こす〔。発病年齢は幼児期から 中年までと大きな幅があり、乳児型、小児型、成人型に分類される〔日経メディカルオンライン「マイオザイム:糖原病II型の特効薬」 〕。乳児型は著明な心肥大、肝腫大、筋力低下および筋緊張低下を特徴とする。本疾患臨床型の中でも最も重症なものであり、古典型ポンペ病といわれることが多い〔。小児型は通常、発症が乳児期以降である。進行は緩徐で、病変は骨格筋に限られる。重度の心筋症は来たさないが、2歳以前に発症した症例では心肥大が認められる場合もある〔。成人型は骨格筋が主に罹患する緩徐進行性のミオパチーを特徴とし、10歳代から60歳代で幅広く発症する。初発症状としては筋力低下、歩行障害などである〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ポンペ病」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Glycogen storage disease type II 」があります。
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