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糖尿病慢性期合併症[とうにょうびょうまんせいきがっぺいしょう] 糖尿病慢性期合併症とは、糖尿病に罹患してから数年を経て発症する合併症である。糖尿病で血糖をコントロールする目的は殆どはこれらの予防である。これらの合併症は多彩であるが、糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害によって生じるものを、糖尿病の「三大合併症(triopathy)」といわれる。これら3つの合併症を後述の血管障害、いわゆる大血管障害と対応させて、小血管障害という。 グルコースはそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(糖化反応、メイラード反応参照)があり、グルコースによる修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じる。細胞内に入ったグルコースはすぐに解糖系により代謝されてしまう。インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のグルコースにさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症する〔http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc3/doc3-03-5.html 生体分子に起こる加齢変化 05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?〕。 小血管障害は糖尿病発症の経過と比較することが重要である。神経障害は比較的早期から出現してくるが、網膜症は発症から5年ほどで出現してくる、発症10年で約50%で出現する。網膜症は腎症に先行することが多く、網膜症がなければ、腎機能障害は腎症によるものではなく、高血圧など別疾患によるものである可能性が高い。 == 糖尿病神経障害 ==
比較的早期から出現し、小径の自律神経から感覚神経へと障害が進展する(ICD-10:E10.4、E11.4、等)。細胞毒としての 多発神経障害のほか、栄養血管の閉塞から多発単神経障害の形も同時に取る。自律神経障害としては胃腸障害(便秘/下痢)、発汗障害、 起立性低血圧、インポテンツ等。感覚神経障害としては末梢のしびれ、神経痛等である。多発単神経障害としては、一時的な黒内障もみられる。不思議なことに、末梢神経障害は糖尿病にかかっている時間の長さとは相関しない。自律神経障害は、相関する。胃腸障害は、現時点での血糖値に影響されるため、やはり相関しない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「糖尿病慢性期合併症」の詳細全文を読む
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