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糖鎖[とうさ]
糖鎖(とうさ)とは、各種の糖がグリコシド結合によってつながりあった一群の化合物を指す。結合した糖の数は2つから数万まで様々であり、10個程度までのものをオリゴ糖とも呼ぶ。多数のα-グルコース分子が直線上に結合したアミロースやセルロースは最も単純な糖鎖といえる。 糖鎖は糖同士だけでなく、タンパク質や脂質その他の低分子とも結合して多様な分子を作り出す。これら糖タンパク質、糖脂質は生体内で重要な生理作用を担う。 ==生体内での糖鎖== アミロースやアミロペクチン、グリコーゲンなどは、グルコースを多数結合させて、体内でのエネルギー源として保存しやすい形に蓄積したものといえる。またセルロースやキチンなどは丈夫な繊維になるため、動植物の体を構築する素材として重要である。糖タンパク質の糖鎖には、セリンやスレオニンのヒドロキシ基にα結合している''O''-グリコシド結合糖鎖と、アスパラギンのアミノ基にβ結合している''N''-グリコシド結合糖鎖がある。''N''-グリコシド結合糖鎖はサイトソルと小胞体で合成され、オリゴ糖転移酵素 (OST) によってタンパク質のアスパラギンに結合させられる。この糖鎖は熱ショックタンパク質のフォールディング に関わっているものもあり、それらはシャペロンといわれる。''O''-グリコシド結合糖鎖にはムチン型糖鎖、プロテオグリカン、糖脂質などがある。 細胞表面にもシアル酸を含むガングリオシドなどの糖鎖は存在しており、これらは細胞接着、抗原抗体反応、ウィルスの感染など細胞のコミュニケーションに重要な役割を担う。例えば血液型(ABO式)の違いを作り出しているのも、糖鎖の構造の差である。また生理活性を持つ低分子の中にも糖鎖を持つものがあり、これらはDNAの特定の配置を認識して結合するなどしてその作用をアシストしている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「糖鎖」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Glycan 」があります。
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