|
『素晴しき日曜日』(すばらしきにちようび)は、1947年(昭和22年)7月1日公開の日本映画である。東宝製作・配給。監督は黒澤明。モノクロ、スタンダード、108分。 敗戦直後の東京を舞台に、貧しさに立ち向かう恋人の姿を描いた作品。脚本はD・W・グリフィス監督の無声映画『』から着想を得ている〔素晴らしき日曜日 、キネマ写真館、2015年4月25日閲覧〕。東宝争議の影響でスター級の俳優が払底し、主役には新人俳優の沼崎勲と中北千枝子が起用された。作中の終盤では、ヒロインがスクリーン中から観客に向かって拍手を求めるという実験的な演出が行われている。第21回キネマ旬報ベスト・テン第6位。 == あらすじ == 戦争の傷跡が残る東京。雄造と昌子のカップルは日曜日にデートをするが、手持金は35円(現在の貨幣価値に換算すると、約3,500円)しかない。一緒に住むこともままならなかった2人は住宅展示場を見学するが、10万円の家は高嶺の花である。二人でも借りられそうなアパートを訪ねるも無駄骨だった。子供の野球に飛び入りすると、雄造の打ったボールが饅頭屋に飛び込み、損害賠償を払わされる。次に雄造は戦友が経営するキャバレーを訪ねるが、物乞いと勘違いされ相手にしてもらえない。途中、雨が降るが、昌子の提案で日比谷公会堂に「未完成交響楽」を聴きに行くことにする。しかし、安い切符はダフ屋が買い占め、抗議した雄造は袋叩きにされてしまう。 雄造は昌子を自分の下宿に連れて行き、彼女の体を求める。怖れた昌子は部屋を飛び出すが、やがて観念したように戻ってきて、泣きながらレインコートを脱ぎはじめる。心を打たれた雄造は「ばかだな、いいんだよ」と、昌子をいたわり詫びる。 雨がやみ、再び街に出た2人は喫茶店を開く夢を語り合う。そして日比谷野外音楽堂に足を運び、雄造はオーケストラの指揮の真似をして昌子に「未完成交響楽」を聞かせようとする。しかし、いくらタクトを振っても曲は聞こえない。すると昌子はステージに駆け上がり、客席に向かって叫ぶ。「皆さん、お願いです! どうか拍手をしてやって下さい!」この言葉に励まされた雄造が再びタクトを振ると、『未完成交響楽』が高らかに鳴り響くのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「素晴らしき日曜日」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|