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紫外・可視・近赤外分光法 : ウィキペディア日本語版
紫外可視近赤外分光法
紫外可視近赤外分光法(しがいかしきんせきがいぶんこうほう、UV-Vis-NIR)は、紫外 (UV, UltraViolet)、可視 (Vis, Visible)、および近赤外 (NIR, Near InfraRed) 領域の光吸収を測定する分光法である。通常、200–1,500 nm 程度の波長範囲について測定する。
一般に、この範囲の吸光は、分子内の電子遷移に由来する。遷移過程としては、π-π
* 遷移
n-π
* 遷移
、d-d 遷移、金属-配位子間電荷移動 (MLCT)、原子価間電荷移動移動 (IVCT) などがあるが、このような遷移過程を持つ分子は比較的少ない(一方、赤外吸収は分子振動・回転に由来するため、ほとんど全ての分子が示す)。
したがって、本法の対象となる試料は限られたものとなる。しかしながら、測定が容易であること、結果が肉眼での観察と一致しわかりやすいこと、分子によっては極めて特徴的なスペクトルを示すこと(ポルフィリンなど)、スペクトルが物質の状態によって敏感に変化することなどから、特に錯体化学分析化学で頻繁に用いられる測定法である。
== 紫外可視近赤外分光スペクトル ==
下図に示すように、ベンゼンナフタレンアントラセンテトラセンペンタセンのそれぞれの吸収スペクトルの例を示す(図の黒線)。

スペクトル左側の灰色地の領域が紫外領域、右側の灰色地の領域が近赤外部である。共役 π 電子系が長くなるにつれ、極大吸収波長 λ が長波長側にシフトしてゆくので、吸収が紫外領域から可視領域へと伸展して行く。
紫外・可視・近赤外分光法では、分子の光が吸収する度合いを調べる。分子の光が吸収するエネルギーは、電子遷移のエネルギーを持った光以外に振動や回転のエネルギーを持った光も吸収してしまうため、連続スペクトルになる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「紫外可視近赤外分光法」の詳細全文を読む



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