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『累 -かさね-』は、松浦だるまによる日本の漫画。講談社『イブニング』に2013年第10号から連載中〔http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/02134/back/2100〕。第19回イブニング新人賞優秀賞を受けた松浦だるまの連載デビュー作。 2014年12月16日には、本作の主人公の母・誘の生涯を綴ったスピンオフ小説『誘 -いざな-』が出版された〔松浦だるま氏自らが執筆する『累 —かさね—』の小説版『誘 —いざな—』、星海社FICTIONSより12.15発売決定! 〕。 2015年、第39回講談社漫画賞・一般部門にノミネートされる。 == あらすじ == 「伝説の女優」の名をほしいままにした故人・淵 透世(ふち すけよ)の娘・淵 累(ふち かさね)は、母とは似ても似つかない醜い顔が原因で、周囲の人間から心無い仕打ちを受け続けてきた。 小学校の学芸会の演劇でシンデレラ役に選ばれたもののクラスメイトらの陰謀により練習に参加させてもらえず、本番では演技途中で役を下ろされ屈辱を受けた累は、生前の母の言葉を思い出して母の形見の口紅を塗り、彼女をいじめる首謀者で美少女の西沢イチカ(にしざわ イチカ)に口づけをし、イチカの顔を手にいれる。母の口紅で欲しい顔の人物に口づけをすると、互いの顔が入れ替わるのであった。 そして、イチカの顔でシンデレラを演じた累は、母譲りの演技の才能を開花させるとともに、舞台で賞賛の眼差しを浴びる喜びを初めて味わい知ることとなる。 やがて高校生となった累は、演劇部の部長・五十嵐幾(いがらし いく)を妬み、再び口紅の力で幾の顔を奪い舞台に立ち、美しさから生ずる自信を実感する。その様子を見た生前の母をよく知る演出家・羽生田釿互(はぶた きんご)は累に女優の才能を見出し、無名の美人女優・丹沢ニナ(たんざわ ニナ)を紹介する。女優としての名声を上げたいが実は持病の発作に悩み思うように活動できないニナと、舞台への執着を持ちながらも醜い顔ゆえに諦めていた累は、互いの欲望を叶えるために手を組み、累はニナの影武者になることを引き受ける。 口紅の力でニナの顔になった累は、ニナの美貌と累の演技力に磨きをかけ、次第にニナ自身を超える女優に成長していく。一方ニナは病気の発作が頻発するとともに、ニナの顔を持つ累がニナ自身を乗っ取り大きく羽ばたいていく現実に心も蝕まれ、自殺を図る。累が自殺直後のニナと顔を入れ替えたために世間では累が自殺したと認知され、累の顔のニナは一命を取り留めたものの後遺症で意識が戻らなくなる。こうして累はニナとして生きることとなり、いつしか「淵透世の再来」と言われる程の人気女優となる。 同じ頃、淵透世の生き写しの容姿を持つ野菊(のぎく)は、父から透世を演ずることを強いられ、非道な扱いを受け続けてきた。そんな生活に限界を感じた野菊は父を殺害するが、虫の息の父から異母姉・累の存在を知らされる。家を飛び出し、男に体を売りながら累を探し続ける日々を送る野菊は、偶然、丹沢ニナと知り合い、互いに詳しい素性は知らぬまま友情を育む。しかし野菊は、累はニナのマネージャーをしていたが自殺未遂後は消息不明との情報を受け、更にニナの自宅の開かずの間に、野菊の実母によく似た醜い顔の女性が昏睡しているのを見つける。幼い頃に透世が母と口づけをし顔を入れ替えていた様子を目撃した野菊は、ニナについて調べた結論から目の前にいるニナは顔を入れ替えた累であると確信し、大きなショックを受けながらも更に真相を知ろうと動き出す。ニナの留守宅に忍び込んだ野菊は、累の顔のニナが身体は植物状態でありながらも意識を取り戻していることに気づく。累の顔のニナと何とか会話を試みた野菊は、彼女が美しい丹沢ニナのまま人々の記憶に残したいこと、そんな丹沢ニナの偽物になり代わってしまった自身を抹消するために死にたがっていると知り殺害する。 ニナ本人の死に気づいた累は、羽生田の指図でニナが自らの意思で失踪したように偽装。ニナ失踪事件のほとぼりが冷めるまで身をひそめ、ニナの死と元の顔に戻ったことで落ち込み引きこもる生活を送るなか、野菊の存在を思い出す。再会した野菊から、美しい容姿を憎み他者になり代わりたいと思っていると聞き、累は顔の入れ替わりやニナとの関係について打ち明ける。そして野菊に了承を得て彼女の顔を奪い芸名「咲朱(さき)」として、再び舞台に上がり注目を集めていく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「累」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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