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終夜運転(しゅうやうんてん)とは、公共交通機関で深夜時間帯(22:00 - 翌5:00)も含めて24時間運行を行い、駅や停留所などで停車し、旅客扱いを行うことを指す。 ただし、夜行列車・夜行バス・長距離の国際線航空便も深夜帯の運転をするがこの範疇には入れない場合が多い。 == 鉄道 == ニューヨーク市地下鉄やマンチェスター空港への空港連絡鉄道など、アメリカ合衆国やヨーロッパの比較的規模の大きい都市の地下鉄などで行われているのが著名である。手法としては経営路線の多くが緩行線と急行線に分かれた複々線であるため、複線ずつを隔日で整備することによって夜間の運行を確保している。 鉄道の場合、最終列車運行後から始発列車運行までの時間は保線などを行う時間であることや、その時間は大部分の住民は睡眠時間であることから、騒音源として特に注意を計る必要がある。 22時 - 翌朝5時の間に勤務する労働者(深夜勤務。ここでは乗務員や駅員)の賃金は労働基準法で、通常時間勤務(5時 - 22時)の25%増(いわゆる深夜手当て)となるため、収入の割に支出が多くなることから、この時間帯は運転本数を大きく減らす場合もある。また、大都市周辺の通勤路線では、最終列車が午前0時から1時頃、始発列車が4時30分頃から5時30分頃に運行されることが多い。 新幹線の場合、保線中の鉄道事故防止や、高速運転がもたらす騒音による睡眠妨害などの影響を防ぐため、悪天候や災害などでのダイヤの乱れなど特殊な事情の場合を除くと、0時 - 6時の営業運転は行わないが、監督官庁や沿線自治体に許可を得た上で1967年から日本万国博覧会(大阪万博)が開催された1970年頃と2000年大晦日のRailStar 21世紀号、2002 FIFAワールドカップ開催の2002年6月に一部区間で0時 - 6時の運転が行われた〔日本交通公社「新幹線 -夢の超特急20年-」 海老原広一 1985年〕。 全国的に実施された終夜運転の例としては前述のFIFAワールドカップ時におけるJR在来線・私鉄・地下鉄各線がある〔午前3時頃までに運行を終了した路線が多いが、上越新幹線・阪和線・鹿児島本線など、始発列車に近い午前4時代以降まで運行された路線もある。 - 『JR時刻表』(編集・発行 交通新聞社)2002年6月号、JRニュースpp.23 - 42〕。また、突発的な例としては2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、渋谷駅や新宿駅などで多数の帰宅困難者が出た際、各地で滞留している帰宅困難者を救済するため、東京メトロなど一部の私鉄では終夜運転が行われた〔東京メトロ、全線で終夜運転を決定 日本経済新聞 2011年3月12日〕。大規模な運行麻痺時の終夜運転としては首都圏国電暴動(1973年4月24日)発生時に、営団地下鉄(現在の東京メトロ)が日本国有鉄道(国鉄)の要請を受けて運行した例がある〔ただし、1981年に営団地下鉄が発行した『地下鉄運輸50年史』にはこのことについては全く触れられていない。(朝日新聞東京版 1983年5月7日「地下鉄物語・歴史のきしみに7 正史」)〕。 なお、日本でも1980年代後半より1990年代前半のバブル景気期にはJR・大手私鉄に対し「社会的な要請」として終夜運転の要請がなされ、また、地下鉄でも前述したニューヨークの例に倣って終夜運転をすべきという意見が出されたこともあったが、整備保守の時間を確保することや地下鉄の複々線化がコスト上困難である問題から難しいとされた〔電車はなぜ24時間運行にしない? R25 2012年12月20日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「終夜運転」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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