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絃楽器 : ウィキペディア日本語版
弦楽器[げんがっき]

弦楽器(げんがっき)(絃楽器とも)とは、に何らかの刺激を与えることによって得られる弦の振動とする楽器の総称である。弦の振動を得るために、弦とそれを張力をもって張っておく装置を備え、多くの場合は得られた音を共鳴させて音を拡大するための装置を持つ。
楽器分類学では弦鳴楽器と呼ぶ。
== 音の出し方 ==
弦をはじく、または弓のつるで弦をこする、または弦を叩くことによって、弦に刺激を与えると、弦が振動して音が得られる。刺激の与え方により、撥弦楽器、擦弦楽器、打弦楽器に分類することができる。
; 撥弦楽器:弦をはじく。はじくには、指、爪、またはそれに変わるもの(義甲、プレクトラムという)を使う。ギターエレキベースチェンバロなどがこうして音を出す。
; 擦弦楽器:弦を弓のつるでこする。ヴァイオリン仲間や、胡弓の仲間、モリンホール(馬頭琴)の仲間などがこうして音を出す。弓のつるは馬の尾の毛のような摩擦の大きいものを使い、さらに松脂などによって摩擦を大きくする。韓国の牙箏(アジェン)のように、弓ではなく木の棒で擦るものもある。
; 打弦楽器:弦を打つ。ピアノ、一部の打楽器や、和楽器の一部もこれに入る。弦を打つのは、ハンマーばちなどである。
ただし、これらの奏法は必ずしも楽器ごとに固定しているわけではなく、例えば擦弦楽器であるヴァイオリン属の楽器には弦を撥弦楽器のように弾いて音を出すピチカートという奏法があり(コントラバスポピュラー音楽で使う場合にはむしろその方が一般的である)、撥弦楽器であるには弦を叩いて音を出す打ち爪という奏法がある。その他三味線の撥音には弦だけでなく皮の振動音も複合されており打楽器的な効果もあり、ギターの胴を手で叩いて打楽器的効果を出したり、三味線、箏には「すり手」「すり爪」といって、爪で弦をこすって「ズー」という効果音的な音色を出す技法がある。但し、チェンバロ、ピアノ等は普通弦楽器ではなく、鍵盤楽器に分類される。
弦楽器では、共鳴体によって音の高さが決まる管楽器と違い、発音体たる弦の振動数(周波数)によって音の高さが決まる。弦の振動は一般には非線形現象だが、多くの弦楽器では以下のような1次元の波動方程式によって十分に近似できる。

\frac u(x,t) = \frac \frac u(x,t)


また、多くの弦楽器では弦の両端は固定されているため、以下のような境界条件を満たさなければならない。

u(0,t) = u(l,t) = 0


この偏微分方程式の解は一般に、

u(x,t)=\sum_^C_n \sin\frac \cos\omega_n(t-\phi_n)

ただし、\omega_n = \frac\sqrt\frac であり、C_n, \phi_n初期条件に依存する定数。


で表される。この解のうちとして現れるのはcosの部分である。これは振動数 f_n = \frac の波の和になり、n=1の波が基音、n=2,3,…の波がそれぞれ第2倍音、第3倍音に相当する。これらの倍音の比率は弦楽器の音色を決定する要素となる。弦の基本振動数は次の式によって得られる。

f_1= \sqrt


''f'': 周波数 (ヘルツ)

''l'': 弦の長さ (m)

''T'': 張力 (ニュートン)

''σ'': 単位長さあたりの質量 (線密度, kg/m)


このように、振動数は弦の長さ、弦の張力、弦の単位長さあたりの質量(弦の太さ、弦の密度)によって変わるので、複数の高さの音を得るためにはこれらを変更すればいいことになる。そのために次のような工夫がされる。
* 弦の振動する長さを変更する。
* 弦の張力を変更する。
* 得られる音の高さの異なる複数の弦を張る。
多くの弦楽器は、これらの中から1つ以上の方法によって音の高さを変更している。例えば、エレキギターでは、異なる高さの弦を6本張り、弦の振動する長さを短くするために指板フレットと呼ばれる装置を備え、さらに演奏にあたって弦を横に引くこと(チョーキング)により張力を変える。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 String instrument 」があります。



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