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経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の選択議定書 : ウィキペディア日本語版
経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の選択議定書[けいざいてき]

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の選択議定書(けいざいてき、しゃかいてきおよびぶんかてきけんりにかんするこくさいきやくのせんたくぎていしょ;)は、2008年12月10日、国際連合総会によって採択された多数国間条約であり、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)の個人通報制度、国家通報制度、調査制度を定めるものである。社会権規約の署名・締約国に対し署名・加入のため開放されているが、2014年5月現在、署名国は45か国、批准国は13か国であり、第18条1項の規定により2013年5月5日に発効された。
== 沿革 ==
社会権規約には、国際的実施措置として報告制度のみが設けられている。市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)には、当初から個人通報を定める選択議定書が設けられており、既に発効しているが、社会権規約にも個人通報制度を設けるべきとの意見が次第に高まってきた。
社会権規約委員会は、1990年の第5回会期において、個人通報制度を導入するに際しての主な問題をまとめたディスカッション・ノートを提出するよう、報告者に要請した〔社会権規約委員会第5回会期報告書(国連文書E/1991/23)285項 (p.72)。〕。それに応じてフィリップ・オルストン委員(当時委員長)から二つのディスカッション・ノートが提出され、1992年の委員会第7回会期でそれらが議論された。議論の結果は委員会報告書として国連経済社会理事会に提出された〔渡辺 (2010: 68)。〕。
1993年6月、世界人権会議で採択されたウィーン宣言及び行動計画において、国連人権委員会に対し、社会権規約委員会と協力しながら、社会権規約の選択議定書について検討を続けることが勧告された〔ウィーン宣言及び行動計画(国連文書A/CONF.157/24)第2部第75項。〕。その後、社会権規約委員会は議論を続け、1997年、選択議定書草案を採択し、人権委員会に送付した〔渡辺 (2010: 69, 73)。〕。人権委員会の動きは当初重かったが、2000年の人権高等弁務官の提案を受け、2001年に独立専門家を任命し、2002年には、「社会権規約選択議定書起草に関する選択肢を検討する目的のために」作業部会を設置した。人権委員会を引き継いだ国連人権理事会は、2006年の第1回会期において、作業部会の任期を延長するとともに、作業部会の議長=報告者に対し、具体的な草案を準備するよう要請した〔渡辺 (2010: 73-75)。〕〔人権理事会決議1/3。〕。2008年、作業部会は起草作業を終了し、人権理事会に選択議定書の草案を提出した〔国連文書A/HRC/8/7。〕。これを受けて、同年6月18日、人権理事会は選択議定書を採択された〔人権理事会決議8/2(国連文書A/HRC/8/52 (p.8-) 収載)。〕。
2008年12月10日世界人権デーに、世界人権宣言採択60周年を記念する国連総会の首脳級会合において、国連総会決議63/117として選択議定書がコンセンサスで採択された。2009年9月24日、ニューヨークの国連本部で署名式が行われ、署名のため開放された〔渡辺 (2010: 63)。〕〔。
本議定書は、10番目の批准書又は加入書が事務総長に寄託された日の3か月後に効力を発することとされているが(18条1項)、2012年2月5日にウルグアイが批准し、署名国は40か国、締約国は10か国となり、2013年5月5日に発効する予定である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の選択議定書」の詳細全文を読む



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