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晩婚化[ばんこんか] 晩婚化(ばんこんか)とは、世間一般の平均初婚年齢が以前と比べて高くなる傾向を指す言葉である。「大人婚」とも言う。先進国では、ここ百年は結婚に対する考え方が「国民皆婚制」という歴史的にも、生物学的にもきわめて珍しい状態にあるが、さも、国民皆婚制が、太古の昔から続いていたかのような俗論が蔓延しており 〔国民生活白書 少子社会の到来,その影響と対応 平成4年11月13日] 経済企画庁 〕〔縄田康光 歴史的に見た日本の人口と家族 〕 本件も、その文脈で語られることが多い問題の一つである。 高年齢で結婚をすること、俗に「婚期を過ぎてから結婚する」ことを指して晩婚と言うが、その「婚期」についての社会通念も変化してきた。 また、これによって少子化という問題も起きているといわれる。但し、出生数それ自体は、ここ20年ぐらいは微減で、ここ10年間は110万人程度で 横ばいとも見られる。但し10年積算すると子供の数が約10万人が減少することから、年間1%の減少ではある。一時のベビーブームとの比較という見方をすると 子どもの数は確かに大幅に減ったと見られるが、どちらが異常であるかは判断が難しい。 総じて、歴史人口学の教えるところによると、 晩婚化(非婚化)という概念じたいは、近代社会(明治以降)の社会と、江戸時代の村社会等といった特殊なサンプルとの比較という意味でしか 意味がなく、〔〔、数字の裏付けのない俗説が蔓延していることもあり、そういう意味では晩婚化という概念はずいぶん疑わしい側面をも持つ。 さらに、経済への影響に関しても、しばし人口減と絡められ、経済の悪化の原因の一つ と槍玉にあげられることもよくあるが、 〔 例えば、浜田宏一・米エール大学名誉教授の以下の発言を参照のこと。
「たしかに人口増は経済成長のために必要だが、 『人口減がデフレの原因だ』と言った人は、まともな経済学者では一人もいない。 日本ではそれが盛んになって、日本銀行の白川総裁までそれに乗ってしゃべっていた 状態だった。
〕 そのような指摘自体が、俗説に過ぎないという指摘もある〔。 ==世界的な傾向==
晩婚化は先進国だけでなく途上国でも確認されており、世界的な現象となっている。国連が世界192カ国を対象に、1970年代と1990年代で結婚等がどのように変化したかを調査した報告書によれば、 *「1970年代と90年代を比べると、世界の平均初婚年齢は2年近く遅くなり」 *「晩婚化は7割以上の国でみられ、平均初婚年齢は男性が25.4歳から27.2歳に、女性は21.5歳から23.2歳に上昇した。上昇幅は先進国の方が大きいが、途上国でもアルジェリア、スーダン、マレーシアのように3歳以上上昇した国があった」〔2005年1月26日付配信 日経新聞〕 となっている。
これは進学率が低かったこと、及び低年齢から社会に出て手に職を付けることが当たり前でありかつ効率的であったことが理由の一つとして挙げられる。特に女子は長い間、進学せずに家事に就くことが当然と見なす社会的圧力に晒されていたため、進学や就職をせず親の縁談で伴侶を見つけて嫁ぐことも多かったので、女子の平均初婚年齢は10代後半で長く推移した。 大戦後、特に先進国において義務教育以上の就学課程(特に大学)への進学率が高くなると、平均初婚年齢は次第に20代へとシフトし始めた。この傾向は、高学歴を必要とする専門知識が求められる職種の増加、学歴重視の雇用者意識、女性の社会参加、看護・福祉のような女性が中心的な労働力を占める職種の社会的地位の向上、女性の経済的な自立と就業意欲の高まりなどを背景として、年々加速した(ただし女性の経済的な自立については異論も多い。次項参照)。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「晩婚化」の詳細全文を読む
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