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結核性髄膜炎[けっかくせいずいまくえん]
結核性髄膜炎(けっかくせいずいまくえん、tuberculous meningitis)は結核によって引き起こされる髄膜炎である。 == 病態 == 結核性髄膜炎は結核菌が血行性に髄膜へと急性に拡散して生じるわけではない。1933年にRichとMcCordockらは82例の結核性髄膜炎の剖検例を報告し、結核性髄膜炎の病因に関して規定した。結核の初期感染時、あるいは慢性結核の経過中に身体中のどこかの潜在性結核病変がたまたま再燃し、脳実質あるいは髄膜に粟粒結核病巣が作られるのである。感染初期の段階で少数の粟粒大の結核結節が脳実質や髄膜に散布される。結核結節は融合と増殖によって成長し、通常は乾酪化する。乾酪化病巣が髄膜炎を惹起する傾向を示すかどうかは、病巣がくも膜下腔にどれだけ近いか、免疫によって線維性被膜が形成される速度によって規定される。上衣下の乾酪化病巣は数ヶ月ないし数年間も非活動性のままでいて、後にくも膜下腔へ結核菌や結核抗原をばらまくことによって髄膜炎を引き起こすことがある。 結核性髄膜炎の神経合併症は結核菌や結核抗原がくも膜下腔へ散布され、これに対して過剰反応が引き起こされることで生じる。この結果、濃厚な浸出液が分泌され、それは脳底槽を充満し、脳底部で脳血管をとりまき、その結果ウイリスの動脈輪を形成する血管を絞扼することとなる。数日のうちに増殖性くも膜炎が形成される。炎症性浸出性腋芽脳底槽に存在することによって髄液流がせき止められ、その結果閉塞性水頭症が発生する。線維素性癒着ができるとくも膜顆粒による再吸収が阻害さる。髄液の再吸収が阻害されると交通性水頭症がおこる。結核の血管壁への直接浸潤によってしょうじた血管炎ないしくも膜炎のために血管が脳底部で圧迫されて脳虚血や脳梗塞が生じる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「結核性髄膜炎」の詳細全文を読む
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