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JDAM(、ジェイダム、統合直接攻撃弾)は、無誘導爆弾に精密誘導能力を付加する装置のシリーズ名である。2000年前後にアメリカ合衆国で開発・実用化され、米軍を主体に数ヶ国の軍隊が保有している。 JDAMシリーズの誘導装置キットを取り付けることで、無誘導の自由落下爆弾を全天候型の精密誘導爆弾(スマート爆弾)に変身させることができる。INSとGPS受信機が組み込まれており、2つの方式を併用した誘導装置が尾部の制御翼をコントロールして、外部からの誘導なしに設定された座標へ精度の高い着弾が行える。また、現在ではさらにセミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)誘導を併用できる機種も登場している。 == 概要 == JDAMは、単体の兵器ではなく、海軍兵器担当水兵や空軍弾薬システム専門兵が兵器を組み立てる時に取り付けられる、無誘導の自由落下爆弾を向上させるための「追加」である。JDAMは、名目上の重量で500ポンド(約230kg)-2,000ポンド(約910kg)の範囲の爆弾に合うように作られている。 JDAMキットは、空力制御翼面を備えた尾部セクション、ストレーキ部、尾部内に収められたINS(慣性誘導システム)とGPS(グローバル・ポジショニング・システム)による誘導制御ユニットより構成される。JDAMキットが取り付けられた爆弾には「Mark 80」や「BLU」(Bomb, Live Unit)といった命名法に代わって、GBU(Guided Bomb Unit)と云う名称コードが与えられる。つまり、このキットを取り付けられた自由落下爆弾は、精密誘導システムを備えた弾頭へと生まれ変わることになる。公表値では投下地点を中心に最大15海里(約28km)までの範囲の目標へ誘導する能力を爆弾に与える。 比較的低価格で運用上の制約もあまり無いために、今後使用される機会が多いと考えられている。この装置は、アメリカ空軍と海軍の共同計画によって開発された。既にイラクやアフガニスタンで使用され、米国と友好な数ヶ国へも輸出販売されている。 JDAMは従来の誘導爆弾の欠点を解消するために開発された。従来の誘導爆弾はレーザーや赤外線画像により誘導されていたが、これらは地上の気象条件により運用が制約される欠点があった。そこで「投下後は外部からの誘導を必要とせずINSとGPSだけで目標地点に落下させること」が求められた結果、JDAMが開発された。 また派生型としてLJDAMが存在する。これはINSとGPSに加えてレーザー照射による誘導機能が追加されており、より精密なピンポイント攻撃や移動目標への攻撃も可能である。 JDAMは、爆弾本体を含まない追加キットであるが、この装着後は爆弾を含む全体を指してJDAMと呼ばれることが多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「JDAM」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Joint Direct Attack Munition 」があります。 スポンサード リンク
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