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絶滅(ぜつめつ)とは、一つの生物種の全ての個体が死ぬことによって、その種が絶えること。種全体に対してではなく個体群に対して用いることもある。ただし野生のものも含めて全ての個体の死亡を確認するのは難しく、絶滅したとされた種の個体が後になって生存を確認されることもある。 また、IUCNレッドリストのカテゴリーである「Extinct」の訳語としても用いられる〔WWF-Japan 〕。 == 概説 == 生物の個体はそれぞれある程度の遺伝子を共有する複数個体からなる集団に属し、一つの遺伝子プールを持っている。この集団を繁殖可能集団、デーム、あるいは個体群という。生物種は個体群そのものである場合もあり、複数の個体群で構成されている場合もある。おのおのの個体群内で生殖が行われ、次世代の個体が生み出される。したがって、ある個体が死んでもその集団は存続するが、その集団に属する全個体が死んだ場合、その集団は消滅する。その場合、近縁であっても異なった集団は別の遺伝子プールを持つ集団であるから、失われた集団と同じものを復元することができない(ただし、絶滅を回避できても個体が激減している場合はやはり以前と同じ遺伝子プールを復元することはほぼできない)。これが絶滅であり、絶滅は不可逆的な現象である。 絶滅が心配される状態にある種を絶滅危惧種という。現代では人為的な圧力によって多くの種が絶滅危惧となっており、すでに絶滅したものも多い。絶滅は生物多様性の著しい低下であるから、それを避けるべく、そのような種には保護や配慮がなされるようになっている。そのために、絶滅危惧種をリストアップし、その状況を調査報告したレッドデータブックが刊行されている。 絶滅危惧種の保護のひとつとして、飼育下で増殖をはかる例も多い。その結果、飼育下の個体だけが残る場合もある。そのような状況下で野生個体がいなくなったと判断された場合には、野生個体が絶滅(野生絶滅)、といった表現をする場合もある。野生個体が絶滅した例としてはウマ・シフゾウ・ヒトコブラクダ・日本のトキがある。 ガラパゴス諸島のピンタ島では1971年にガラパゴスゾウガメの亜種(独立種とする説もあり)ピンタゾウガメ(Geochelone nigra abingdoni)最後の一頭が捕獲されて以降全く新個体が発見されていないため、野生個体群は絶滅したと考えられている。最後の個体はそれ以来ダーウィン研究所で飼育され、「ロンサム・ジョージ(ひとりぼっちのジョージ)」と呼ばれていたが、2012年6月24日死亡した。また、一頭のみでは繁殖はできないことから、ロンサム・ジョージが捕獲された時点で野生個体群の絶滅とともに種そのものの絶滅は確定していた。 ただし、遺伝的多様性の視点から見れば、種の絶滅だけが特別な出来事ではない。個体数の減少は遺伝的多様性の低下をもたらす。失われた遺伝的多様性は、仮に少数の個体が生き延びることで種が存続したとしても取り戻すことがほぼできない。そのため保全生態学などでは遺伝的多様性を維持するための最低限の個体数研究などが行われている。なお、クローン技術によって一時的に復活した絶滅種もある(ヤギの亜種・ブカルドなど〔ナショナルジオグラフィック公式サイト・2009年2月12日、2014年5月1日観覧〕)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「絶滅」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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