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網元 : ウィキペディア日本語版
網元[あみもと]
網元(あみもと・網主(あみぬし))とは、漁網漁船を所有する漁業経営者のこと。これに対して網元に雇用されて労力を提供する漁師漁夫網子(あみこ)と呼ぶ。
== 概要 ==

=== 網元制度の成立 ===
日本で網などを使った漁業が登場するのは中世後期であり、当時の漁村における住民の多くは半農半漁生活を送る沿岸漁村であった。沿岸漁村では網などの漁具、漁獲物の処分方法は村もしくは漁民集団の共有であり、本百姓小作人もしくは本百姓同志間での格差は緩やかなものであった。
ところが、江戸時代中期(18世紀)になると都市の発展と農村における干鰯利用の増大によって水産物に対する需要が急速に高まり、それに答えるべく大きな網が作れる麻網の導入などの技術革新も行われた。その結果、定置網地引網八田網捕鯨カツオ漁をはじめとする沿岸漁業を中心とした各種漁法が相次いで確立された。その一方で漁業の中に貨幣経済が導入され、村の中で富裕な漁民や地主が村落(地域)の漁業権を掌握して在村ブルジョアジー的な網元へと転化し、網元を中心とした漁業へと変化していった。もちろん、その展開は地域によって異なり、共同経営型へと発展して網元が確立されなかった地域や外部からの高利貸・商業資本が漁村に進出して網元化する場合もあった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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