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緑色硫黄細菌[りょくしょくいおうさいきん]
緑色硫黄細菌(りょくしょくいおうさいきん)は緑褐色を呈し酸素非発生型光合成を行う光合成細菌の一群で、電子供与体として硫化水素などの硫黄を利用するものである。分類学上はクロロビウム科(Chlorobiaceae)をあてるが、16S_rRNA系統解析に基づく原核生物の分類によれば、緑色硫黄細菌とイグナウィバクテリウム綱(Ignavibacteria)で、クロロビウム門(Chlorobi)を構成する。 ==特徴== 形状は球菌、桿菌、らせん形などであるが、普通は不動性で、鞭毛を持つものが1種あるのみである。絶対嫌気性で、分子状窒素固定能がある光合成独立栄養生物。 生育には光を必要とするが、興味深い例として太平洋のメキシコ沖深さ2500mのブラックスモーカーの近くで緑色硫黄細菌が見付かったことがある。この深さには太陽光は届かないため、熱水孔の放つほのかな光に依存して生活している。 電子供与体として主に硫化物イオン(S2-)を利用しているため、光合成によってそれが酸化されて細胞外に単体の硫黄粒が生じる。この硫黄粒はさらに酸化されて硫酸を生じる場合もある。 光化学反応中心は鉄硫黄型で、酸素発生型光合成における光化学系Iと類似している。反応中心色素はバクテリオクロロフィル ''a'' だが、補助色素としてクロロソームと呼ばれる光捕集系にバクテリオクロロフィル ''c''、''d''、''e'' が含まれている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「緑色硫黄細菌」の詳細全文を読む
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