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線型位相空間 : ウィキペディア日本語版
線型位相空間[せんけいいそうくうかん]
数学における線型位相空間(せんけいいそうくうかん、linear topological space)とは、ベクトル空間の構造(線型演算)とその構造に両立する位相構造を持ったもののことである。係数体は実数体 R や複素数体 C などの位相体であり、ベクトルの加法やスカラー倍などの演算が連続写像になっていることが要請される。線型位相空間においては、通常のベクトル空間におけるような代数的な操作に加えて、興味のあるベクトルを他のベクトルで近似することが可能になり、関数解析学における基本的な枠組みが与えられる。
ベクトル空間の代数的な構造はその次元のみによって完全に分類されるが、特に無限次元のベクトル空間に対してその上に考えられる位相には様々なものがある。有限次元の実・複素ベクトル空間上の、意義のある位相はそれぞれの空間に対して一意的に決まってしまうことから、この多様性は無限次元に特徴的なものといえる。
== 定義 ==
位相体 ''K'' 上の線型空間 ''E'' で、線型空間としてのベクトル和とスカラー積が連続写像になっているものは線型位相空間とよばれる。すなわち、''E'' は加法
: E \times E \to E;\ (u, v) \mapsto u + v
に関して位相アーベル群になっており、さらに定数倍写像
: K \times E \to E;\ (r, v) \mapsto rv
が2変数の写像として連続になっている。係数体 ''K'' を明示して位相 ''K''-線型空間などと呼ぶこともある。とくに係数の位相体が実数体である線型位相空間を実線型位相空間、複素数体である線型位相空間を複素線型位相空間という。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「線型位相空間」の詳細全文を読む



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