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線量当量 : ウィキペディア日本語版
線量当量[せんりょうとうりょう]
線量当量(せんりょうとうりょう、)とは、人体の被曝線量を表す線量概念の一つである。線量当量の単位はシーベルト(記号:)が用いられる。
用途に応じて様々な定義が存在するが、主に個人モニタリング・環境モニタリングにおける放射線計測の実用量として用いられる。
== 概要 ==
放射線の生物影響を考える上で、臓器の単位質量あたりの吸収エネルギー量である吸収線量は最も重要な量であるが、これを尺度として用いるには、放射線の種類や放射線のエネルギーが異なると同じ吸収線量であっても同一の生物影響を示さない〔例えば、アルファ線とガンマ線とでは同じ 1 の吸収線量であっても、細胞死や染色体異常などの細胞レベルの影響は異なる。〕、という大きな欠点がある〔草間(1995) pp.42-45〕。
そのため、ガンマ線・X 線による生物影響を基準とした生物学的効果比(Relative Biological Effectiveness; RBE)を吸収線量に掛け合わせる〔低線量被曝においては主にガンが問題となることからガンの RBE を吸収線量に掛け合わせた線量がまず考えられた。ただし、その当時はガンの RBE に関する十分なデータが無かった。〕ことで、放射線の種類の違いを平準化した線量が古くから提案されてきた〔例えば、ICRUの1962年の報告書より以前においては RBE dose と呼ばれる線量概念が参考程度に定義されていた。〕。しかしながら、RBE に関する十分なデータが存在しなかったことから、RBE に代わって線エネルギー付与(Linear Energy Transfer ; LET)を用いて補正係数である線質係数(quality factor)とそれを空間のある一点における吸収線量に掛け合わせた線量当量(dose equivalent)が定義された〔草間(1995) p.44〕〔ただし、線量当量という概念は、被曝を受けたのが特定の組織であるのか、あるいはいくつか複数の組織なのかが常に曖昧であるという弱点がある。グリーニング(1988) p.152〕。
防護量(protection quantity)の尺度としては線量当量は1990年のICRP勧告まで用いられていた。1990年のICRP勧告では、放射線のエネルギーの違いによる生物影響の相違などを反映させた放射線荷重係数(radiation weighting factor)とそれを臓器吸収線量に掛け合わせた等価線量(equivalent dose)〔線量当量と等価線量の定義上の大きな違いは、線量当量がある一点に対して定義されるものであるのに対して、等価線量は臓器に対して定義される点である。概念的に等価線量の方が線量当量よりも放射線防護量としては適切であるが、等価線量自体をそのまま計測することは困難である。〕が新たに防護量として定義された〔名称変更になったのは、それまでの個人の放射線被曝によるリスク量である実効線量当量(effective dose equivalent)と名称として紛らわしいため区別する意味合いもあったと言われる。なお、1990年のICRP勧告にて、等価線量の定義と同時に実効線量当量は実効線量(effective dose)に名称変更となった。〕〔ただし、放射線・放射性物質の量と単位および測定に関する国際的な統一と規格化を図るための国際組織である国際放射線単位測定委員会(ICRU)においては、未だに線量当量は用いられている。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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