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縁故主義[えんこしゅぎ] 縁故主義(えんこしゅぎ)またはネポティズム(Nepotism)とは、親族や地縁・血縁などの縁を持つ縁故者を重用する思考。権力者は縁故者を自らの側近や部下として配することで知られる。社会学の分野においては、同族・同郷者に限らず同じコミュニティに属する人間の意見を尊重し、排他的な思想に偏る内集団偏向のことを指す。 == カトリック教会における縁故主義 == 中世ヨーロッパのカトリックにおいて聖職者は様々な特権を持っており、司教や修道院長といった上級の聖職者は、世俗諸侯と変わらない権力を持っていたが、結婚し、跡継ぎの子供を作る事は認められていなかった。このため、親族の子供(甥)に様々な便宜を与えたり、実質的な後継者とする事が行われ、これをネポティズム(nepotism)〔nipote<伊>=甥、姪、孫。< <羅> nepos 〕と呼ぶことが始まった。また、公的には結婚・妻帯が禁じられていたカトリックの聖職者が、密かに儲けてしまった庶子を「甥」と偽ることもあった。ルネサンス期になると半ば公然と行われ、代表例が教皇アレクサンデル6世の庶子、チェーザレ・ボルジアである。また、パウルス3世も実の孫アレッサンドロ・ファルネーゼを14歳にも関わらず枢機卿に任命した。 1692年に教皇インノケンティウス12世が勅書「ロマーヌム・デチェット・ポンティフィチェム」(Romanum decet Pontificem)を発布し、教皇が親族に財産や土地、利益を与える事の禁止を明文化したことにより、カトリック教会の縁故主義は終焉を迎えた。
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nepotism 」があります。
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