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『續姿三四郎』(ぞくすがたさんしろう)は、1945年(昭和20年)5月3日の公開日本映画である。東宝製作、映画配給社(紅系)配給。監督は黒澤明。モノクロ、スタンダード、82分。 黒澤監督のデビュー作『姿三四郎』の続篇であり、兄の復讐のため戦いを挑む檜垣兄弟と姿三四郎の死闘を描いた作品である。前作の大ヒットを受けて製作した娯楽作だが、黒澤は「あまり上出来の映画にならなかった〔黒澤明『蝦蟇の油』、岩波書店、1990年、p.255〕」と述懐している。 == あらすじ == 1887年(明治20年)、長い旅から帰ってきた姿三四郎はアメリカ人水兵に暴力をふるわれる若い車夫・左文字大三郎を助け、救われた大三郎はすっかり三四郎に陶酔する。その後アメリカ領事館通訳の布引好造が三四郎を訪ね、アメリカ人拳闘家と試合をしないかと持ちかける。三四郎は見世物に出ることは禁じられていると断るが、結局試合を見に行くことになった。そこには中年の柔術家が三四郎の代わりに試合に出場しており三四郎は止めようとするが、その柔術家は「三四郎の柔道が自分たちをここまで追い込んだ」と言い試合に臨む。試合は一方的な展開となり、その柔術家は傷だらけの状態に。それを囃すアメリカ人観客達を見て、三四郎は苦悶の表情を浮かべた。 試合後、三四郎は修道館で矢野正五郎と対面し後悔を口にする。その後、先の警視庁武術大会で破った村井半助の墓参りに出かけ、そこで村井の娘・小夜と再開する。しかしその頃、三四郎に敗れ病床に臥す檜垣源之助の弟・鉄心と源三郎が上京してきた。二人は唐手使いで修道館に乗り込み、三四郎との立ち会いを申し込むが断られ、侮蔑の言葉を浴びせて立ち去る。収まりが付かない三四郎は、わざと掟を破り破門されようと思い、道場で酒を喰らう。そこに矢野が現れ、わざと気付かない振りをして、徳利に技をかけて柔道の極意を教え、矢野の思いやりに三四郎は両手をついて頭をたれた。 しかし、大三郎が修道館に弟子入りした頃から修道館の門弟が襲われる事件が続発する。これはすべて鉄心と源三郎の仕業であった。そして二人の魔の手は大三郎までに及び、兄・源之助は鉄心と源三郎の姿に昔の自分の姿を見て苦しむ。その後源之助は修道館を訪れ、三四郎らに弟たちの非礼を詫び、二人が打倒三四郎のため山に籠もったことを告げる。三四郎は源之助を送るために人力車を担いで走らせたが、その途中で三四郎に会いに来た小夜と出会ってしまい、源之助の心を慮る。やがて二人からの挑戦状が届き、意を決した三四郎は破門覚悟で道場を飛び出す。そして再びわざと禁を破るため見世物に出て、三四郎はアメリカ人拳闘家に勝利し、三四郎のもとにあの中年の柔術家がすがりつき、泣きながら先の暴言を詫びる。 小夜に別れを告げた後、三四郎は雪深い天狗峠に向かい、遂に鉄心との戦いが始まる。三四郎は長い戦いの末勝利し、二人が籠もっていた山小屋に鉄心を運び入れ、介抱を始める。戦いに参加しなかった源三郎は隙を見て三四郎を殺そうとしたが、別れた小夜の夢を見て微笑む三四郎の顔を見て戦意を消失してしまい、翌朝晴れ上がった空を眺める三四郎の姿を見て二人は「負けた」と言い合うのであった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「續姿三四郎」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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