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羊舌キツ : ウィキペディア日本語版
羊舌キツ[ようぜつ きつ]

羊舌 肸(ようぜつ きつ、生没年不詳)は、中国春秋時代政治家羊舌叔向羊舌職の子。同母兄に羊舌赤(伯華)、同母弟に羊舌鮒(叔魚)、異母弟に羊舌虎(叔羆)。平公の傅をつとめ、該博をもって知られた賢人。
==略歴==
ある時悼公が太子彪(のちの平公)の元服が済んだあと、台上にのぼって国都の城内・城下を見下ろし「ああ、楽しいものだな」と言った。側に控えていた汝斉は「下の眺めがどれほどよろしくとも、徳義を行う楽しみにはおよびません」と言った。悼公は「何を徳義というのか」と問うた。汝斉は「諸侯の行為をみて、善事を行い、悪事を戒める。これを徳義と言います」と答えた。悼公は再び問うた。「では、その徳義を実行できるものは、誰か」。汝斉は躊躇わずに「羊舌肸が、諸国の歴史を熟知しております」と薦めた。悼公は叔向を太子の傅に任命した。
若くして死んだ名君悼公の後を継いだ平公は、悲しい歌を好み、女色にふけるなど、決して君主としてすぐれてはいなかったが、叔向の指導のもとに心胆を練りなおし、晋の覇権を維持して大過なくこの世を去った。
それゆえ官人の半数が叔向の徳を慕い寄ったという。
羊舌氏は晋の権門である六卿の家柄ではなかったので、国家のため派閥を越えた判断を必要とされるたびに、晋の君主や正卿は叔向に下問した。
令尹子木は「晋が覇権を握っているのも当然です。叔向が卿を補佐しているからです。楚にはかれに相当する者がおらず、敵いません」と言った。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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