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ミスチーフ礁(、()、、)は、南沙諸島の環礁の一つ。ミスチーフ環礁と表されることもある。干潮時のみ海面に姿を現す岩礁(干出岩)があり、中華人民共和国がこの浅瀬に建造物を構築して実効支配している。中国、フィリピン、ベトナムが主権(領有)を主張している。 == 概要 == フィリピン・パラワン州のパラワン島から西におよそ209kmに位置する。 中国によって実効支配される前は、フィリピンが支配下に置いていた。1995年2月フィリピン政府は、前年秋のフィリピン海軍がモンスーン期でパトロールをしていない時期に、中国が建造物を構築したことを公表〔小谷俊介(国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課)「南シナ海における中国の海洋進出および「海洋権益」維持活動について(PDF)」30-31ページ レファレンス平成25年11月号 〕。1991年末のソ連崩壊後の米比相互防衛条約解消の流れから、アメリカは、クラーク空軍基地から撤収し、1992年にはスービック海軍基地からも撤収し、フィリピンにおけるアメリカの軍事的なプレゼンスは、この時期には著しく低下していた。フィリピンは抗議を行うが、中国はこれに応じず、建造物は「自国の漁師を守るためのもの」であると主張した。 1998年末から1999年にかけて中国が鉄筋コンクリート製施設を建設していることが報道され〔「公海の自由航行に関する普及啓蒙」 国際経済政策調査会, 日本財団図書館〕、フィリピンのマニラで反対運動が起きた。 2007年に中国農業部南海区漁業局(漁政)は、漁民を組織し、いけす養殖のプロジェクトを開始。 この環礁には干潮時のみ海面に姿を現す岩礁(干出岩)が存在する。国連海洋法条約において「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。」と定められている。したがって満潮時に海面上に露出しない岩礁(干出岩)は、島ではないため領土として認められないし、当然それに基づく領海も認められない。また「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。」とも定められている。この規定の岩に該当しなければ、「領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚」が条約の規定に従って認められる。ただ自国の排他的経済水域(EEZ))内の暗礁であるならば、その国が建造物を建設することが認められている。中国もフィリピンもこの国連海洋法条約を批准している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミスチーフ礁」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Mischief Reef 」があります。 スポンサード リンク
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