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群分離(ぐんぶんり、)とは、使用済核燃料の再処理により生じる高レベル放射性廃棄物の処分をより安全に行うために、その中から問題となる核種を半減期や化学的性質に応じたグループに分離することを言う〔中村(1979) p.1〕。 == 概要 == 使用済み燃料の再処理に伴って、放射能高レベル廃液(Highly Active Liquid Waste;HALW)〔ATOMICA:HALW 〕 が必然的に生成される〔再処理工場にて、使用済み燃料を処理してプルトニウムとウランのほとんどを回収した残りのものがそのまま放射能高レベル廃液(HALW)となる。クローズド・システム(1973) p.3 〕。この放射能高レベル廃液には、核分裂生成物(fission product;FP)や超ウラン元素(Transuranic;TRU)などが含まれている〔ほか、放射性物質以外に、再処理工程中で添加された薬品のナトリウムなど、工程機器、塔槽類、配管からの腐食生成物を含んでいる。 ATOMICA:高レベル廃液の処理 〕。この核分裂生成物の中には1000年程度の長寿命核種であり相対的毒性が高い 90Sr および 137Cs 並びに超ウラン元素の中にはさらにそれを超える超長寿命核種で相対的毒性も高いアルファ核種が含まれており、一口に放射性物質といっても毒性や半減期など性質が異なるものが放射能高レベル廃液に混在して含まれている。 そのため、放射能高レベル廃液を長年月にわたって安全管理するには、放射能高レベル廃液をいろいろなものが混在したままの状態で扱うよりも * アルファ核種群 * 長寿命の主要核分裂生成物核種である 90Sr, 137Cs 群 * 短寿命核種群 などの群にまず大きく分離し(これを群分離(partitioning)と呼ぶ)、分離したものについて個別に扱う方が良い〔クローズド・システム(1973) p.5〕。 群分離することにより、性質に応じた処分法を選択することが可能で、対象によっては核変換技術を適用することにより長期毒性を減らせる可能性があり、放射性廃棄物の処分面積を減らすことが出来ると試算されている。現状は、実験室レベルの技術開発に成功しているが、スケールアップや二次廃棄物の低減などの課題が残されている。〔 原子力百科事典ATOMICA:群分離 〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「群分離」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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