|
『聖金口イオアン聖体礼儀 第4番』(せいきんこういおあんせいたいれいぎ、、作品番号不明)はロシアの作曲家、アレクサンドル・グレチャニノフ()が1943年に亡命先のニューヨークで作曲した正教会の奉神礼音楽。金口イオアンの定めた聖金口イオアン聖体礼儀に曲づけを行った、無伴奏の混声合唱による聖歌である。 歌唱は教会スラヴ語による。 アレクサンドル・グレチャニノフは生涯に聖金口イオアン聖体礼儀の曲付けを4曲作曲しているが、本作品はグレチャニノフの作曲した正教会聖歌の中でも最後に作曲された〔 - ()〕。 ==特徴== グレチャニノフ作曲の聖金口イオアン聖体礼儀4曲は、作曲された時期が約半世紀にわたっており(最初の第1番が完成したのが1897年)、それぞれに性格が異なっている。第1番はチャイコフスキーによる聖金口イオアン聖体礼儀への類似が認められる。第2番はソロと合唱の組み合わせに特徴がある。第3番は、正教会の奉神礼では無伴奏声楽が原則であるにも関わらず、弦楽・ハープ・オルガンといった楽器を伴っている(第3番のような器楽を伴う聖歌作品例は正教会では殆ど無く、奉神礼で実際に使われる機会は無い)。 これらの作曲とは全く異なり、第4番は正教会の奉神礼で実用的に、実際に使われる事を目指して作曲された。それまでの3曲は、ほとんどがアマチュアで構成される小さな教会での使用には不向きな、技巧を要求するものだったが、第4番は極めて単純な旋律・和声で作曲されている。「ロシアのスタイルにより適しつつ、シンプルな教会聖歌〔該当鍵括弧内出典:CD:Gretchaninov - Liturgy of St John Chrysostom no.4 (OCD 480)の付属の英文解説内にあるグレチャニノフの言葉。英語原文を翻訳。〕」を作ること、「歌唱が容易で、楽譜を読むのに習熟していないアマチュアで構成されているものも含めた、あらゆるアンサンブルで使えるものを作曲すること〔」をグレチャニノフは目指した。 他方、これらの目的を達成するに当たりグレチャニノフは伝統的和声を用いる一方で、カスタルスキー、チェスノコフ、ラフマニノフら作曲家達が、ドイツ・イタリア音楽の影響から作曲様式をロシア化する事に積極的に取り組んだ意識を継承し、「トニック - サブドミナント - ドミナント - トニック」といったドイツ式カデンツの定式を用いればその作曲の結果は「ロシアの精神にとり特に異質なものとなる〔」とし、持続低音の使用に解決策を見出した。また、グレチャニノフの背景には豊かで古いロシア伝統の旋律があり、その影響は本作品にもみてとれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「聖金口イオアン聖体礼儀第4番 (グレチャニノフ)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|