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胞胚[ほうはい]
胞胚(ほうはい、)とは動物の胚の発達の初期段階の一つ。分化しない細胞が卵の外側に配列し、中央には通常は胞胚腔と言われる腔所が現れる。ほぼすべての後生動物に共通する発生段階である。 なお、内部ではこれ以前の時期とは異なる現象もあり、また後の分化や形態形成に向けた活動も起こり始めていることが知られている。
==概説== 受精卵は卵割と呼ばれる細胞分裂によって細胞数を増やし、ある程度の数に達した細胞は球形の卵の表面に並び、卵割腔と呼ばれる中央の液体に満ちた腔を囲む。その前の段階として桑実胚を認めることもあるが、区別は曖昧である。胞胚には原腸陥入が起きて原腸胚へと発達する。
胞胚期は桑実胚期の後に続く時期であるが、両者の区別はさほど明確ではない。16細胞期は桑実胚だが32細胞期はどちらと言ってもかまわないとの声もある〔市川(1968)p.208〕。ただ、ほとんどの動物において、ほぼ均質な細胞の集まりとなり、また細胞分裂が遅くなり、同調性が弱くなるのがこの時期である〔東中川他()p.42-43〕。他方でそれに続く時期は原腸胚期だが、これは原腸の陥入が始まるので、その区別は比較的はっきりしている。 卵割の開始から胞胚期までは、胚の内部での移動や変形などが少なく、見かけ上は均一な細胞の列であり、外見的にもほぼ球形である。これは、これ以降にその内部で大きな動きが生じ、形態形成運動が始まるのとはっきり異なる〔東中川他(2008)p.42-43〕。たとえばウニではこの時期にはその表面に繊毛を生じ、受精膜から脱出して遊泳を始める。これを遊泳胞胚と言うが、形態的には植物極側の細胞がやや背が高くなる程度である。その直後には植物極側から胞胚腔内に細胞が入り込み、一次間充織を形成し始めるが、これはすでに原腸胚期の始まりに当たる〔東中川他(2008)p.45〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「胞胚」の詳細全文を読む
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