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能因法師雨乞いの樟 : ウィキペディア日本語版
能因法師雨乞いの樟[のういんほうしあまごいのくすのき]

能因法師雨乞いの樟能因法師雨乞いの楠、のういんほうしあまごいのくす)は、愛媛県今治市大三島大山祇神社境内に生育していたクスノキ巨樹である。幹周17mを測り、推定樹齢は3000年。日本最古のクスノキと云われている。現在は枯死しているが一部が残っており、国の天然記念物「大山祇神社のクスノキ群」の一部を成している。
名称は「能因法師雨乞いの樟」、「能因法師雨乞いの楠」などと表記され、現地案内板の表記は後者である。単に「雨乞いの楠」と呼ぶこともある。11世紀能因がこのクスノキの前で雨乞いを行ったとされる。
== 由来 ==
大山祇神社瀬戸内海大三島に鎮座している。伊予国風土記にも記載のある古社であり、8世紀に島の反対側の瀬戸から現在地に遷宮した〔『三島宮御鎮座本縁』〕。境内にはほかにも幹周11mの「乎千命御手植の楠」(国の天然記念物)や、かつて幹周14mあった「河野通有兜掛の楠」(枯死、国の天然記念物)、近隣にも幹周15.5m〔『第4回自然環境保全基礎調査-日本の巨樹・巨木林』1991年、38-33〕の「生樹の御門」(愛媛県指定天然記念物)などクスの大木に恵まれているが、その中でも最大の巨木であった〔「生樹の御門」は複雑な樹形をしており、目通り20mの計測もある。この場合こちらが上回る。〕。
古来大三島島内はクスノキトベラウバメガシ原生林に覆われていたと考えられているが、薪の過剰採取やそれに起因する洪水などの人為的要因により明治時代までにはほとんど失われ、大山祇神社周辺に名残があるのみである〔『大三島町誌(大山祇神社編)p.173』〕〔『大三島を中心とする藝豫叢島史』pp.15,18,22-24〕。幹周8m以上の大型のクスノキは全て大山祇神社周辺に集中している。
このクスノキは境内北側の放生池(弁財天池ともいう)の傍、宇迦神社の前にある。1941年の測定で幹周17m、根回り26mを測ったが、当時すでに枯死していた〔『大三島を中心とする藝豫叢島史』pp.15-16〕。江戸時代の記録では人十五人抱え4尺、あるいは目通り9間(約16.6m)とある〔。何れも愛媛県最大の巨樹である「生樹の御門」や「土居の大楠」を大幅に上回る大きさであった。
現在は腐朽が進み、幹部分や細い枝はほぼ消滅して太枝の一部が残るだけである。1991年の測定では幹周10m、樹高10m、枝張り10mとなっている〔。推定樹齢は3000年で、日本最古の楠といわれている〔「現地案内板」〕〔『樹木にまつわる物語: 日本の民話・伝説などを集めて』、p.133〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「能因法師雨乞いの樟」の詳細全文を読む



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