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腫瘍マーカー(しゅようマーカー、)は、癌の進行とともに増加する生体因子のことで、主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出する臨床検査のひとつである。また、生検検体や摘出された腫瘍の病理組織標本を免疫染色し、腫瘍の確定病理診断や組織型の鑑別に用いられるなど臨床検査の場で多く使われる〔がん情報サービス 国立がん研究センターがん対策情報センター 〕。 多くの腫瘍マーカーは健康人であっても血液中に存在するので、腫瘍マーカー単独で癌の存在を診断できるものはPSA(前立腺癌のマーカーに用いる)など少数であるといわれている。癌患者の腫瘍マーカーを定期的に検査することは、再発の有無や病勢、手術で取りきれていない癌や画像診断で見えない程度の微小な癌の存在を知る上で、確実ではないが有用な方法である。しかしながら、通常は進行した癌の動態を把握するのに使われるもので、早期診断に使える検査法ではない。 == 応用 == *進行した癌に対して化学療法や放射線療法が行われる際に、治療効果がどれくらい上がっているかどうかの判断に使われる。 *腫瘍マーカー値が高い癌に対して手術による切除が行われた後では、多くの場合、腫瘍マーカー値は低下、改善する。癌の再発があった場合は、腫瘍マーカー値は再度上昇するため、術後の経過観察目的で使われることがある。 == 腫瘍マーカー値の解釈 == 腫瘍マーカーのカットオフ値(しきい値、英語: threshold, limen)は、正常者および癌患者の多くの被験者での平均値をもって決められるが、平均値から外れた異なる動きをする者もいる。すなわち、癌がなくとも腫瘍マーカー値が上昇する場合や、癌が存在するにもかかわらず腫瘍マーカー値が上昇しないケースもある。また、腫瘍マーカー値自体の動きも、正確に癌の動きを反映しているわけではないため、腫瘍マーカー値だけで癌の状態を把握できるわけではない。 == 一覧 ==
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「腫瘍マーカー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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