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尻、臀(しり、)とは、一般に四足動物(とくに哺乳類)における胴の後方(ヒトのような直立動物においては下後方)、肛門周囲の部位のこと。臀部(でんぶ)。 位置としては骨盤の後方にあたり、大腿部を支える筋肉などが集中するため、筋肉質に盛り上がる。ヒトの場合、直立姿勢の関係から、背面が平らになっているため、この部分だけが後方に突き出し、なお目立つ部分となっている〔林四郎ほか「例解新国語辞典第六版」2002年1月 「尻(しり)」の項〕。 鳥類における尾羽部分または尾羽が生えている部分を尻と称することもある。昆虫類においても、胴の最後部を尻と呼ぶことがある。トカゲのような爬虫類においては、肛門周囲ではあっても尻とは通常は呼ばない。しかし、その尾を尻尾(しっぽ)と称する。食肉としてはイチボとランプが尻の肉に相当する。 俗に「けつ」、「おかま」、「おいど」、「いしき」、「アナル」と呼ばれることがある。古語では「いさらい」、「ゐさらひ」、「いざらい」とも表記する。丁寧語では「お尻」または「おけつ」〔林四郎ほか「例解新国語辞典第六版」2002年1月 「尻(しり)」の項〕。盛り上がったやや平坦な部分を「尻っぺた」や「けつっぺた」とも呼ぶ。排泄や性にまつわる部位であることなどから、世界各国においてさまざまな隠語・俗語がある。 == ヒトの尻の解剖学 == ヒトにおける尻は、おおむね胴の前面より見た場合の臍より下、一般に下腹部と呼ばれる部位の背面に相当する。下肢に接続する筋肉や皮下脂肪層により、顕著に肉が盛り上がっていることが多い。腰骨(骨盤)と大腿骨が接続する股関節部分を覆うようにあり、その支持のための大殿筋(だいでんきん)が尻の盛り上がりの主となる。これら左右の盛り上がりの中央に溝が走る。これを臀裂(臀間裂、肛門裂)という。臀裂の谷間の中央部に、排泄器官である肛門が存在する。また、臀部の盛り上がりの下方と大腿部の境界の部分(直立すると谷間ができて明確になる)を臀溝という。やや上方かつ側面には中殿筋(ちゅうでんきん)がある。大殿筋は股関節の伸展など、中殿筋は外転、屈曲などの際によく働く。足を用いた運動および胴を支えるには欠かせない部分である。これら筋肉の内部には坐骨神経や血管などが走る。臀裂部分上方には尾の名残である尾骨があり、下方から肛門を経て腹側に辿っていくと会陰、外性器と続く。会陰は通常は股に含まれる。相互規定的ではあるが、背面における股と腰の中間が尻であるとおおむね定義できる。 アジア人(モンゴロイド)の新生児および乳幼児期には、蒙古斑がみられる(まれに青年期や大人でも消えない場合がある)。「尻が青い」の成句はここからきたといわれる。この蒙古斑のことを知らないヨーロッパ人などがアジア人の乳幼児の尻を見てアザだと思い込み、虐待されていると早とちりすることがあるといわれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「尻」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Buttocks 」があります。 スポンサード リンク
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