|
臨床検査 (りんしょうけんさ) とは、診療目的で行われる患者、傷病の状態を評価するための検査である。 症候学では補助診断(ほじょしんだん)と呼ぶこともあり、これは問診と一般診察こそが病態把握に最も重要であるとの考え方に基づくものである。一方、糖尿病の長期コントロールなどのように検査値が最も大きな意味を持っている場合もあり、一概に診察が検査に勝ると言えるわけではない。また、生活習慣病を自覚症状のない間に発見し早期治療を行うためにも重要である。 しかし、患者からすると受けるとなると検査の費用を負担せねばならず、また項目によっては、患者の健康を害する(侵襲する)場合がある。そのため一旦、医療関係者の言葉は言葉として距離を置いて、冷静に検査の真の必要性、リスク、コストを勘案して、検査の適応、受けるべきか、それとも止めておくべきか、を判断する必要がある。 == 原理 == 臨床検査で診断を行う場合には、臨床検査によってその患者が実際に傷病である確率を高めたり低めたりする。確率の推定にはベイズ推定を用いる。ベイズ推定における事前確率は、臨床検査の場合は検査前確率と言い、ベイズ推定における事後確率は、臨床検査の場合は検査後確率と言う。また、疑っている傷病である人が検査で陽性と出る確率を感度と言い、疑っている傷病でない人が検査で陰性と出る確率は特異度と言う。ROC参照。 検査前確率は、臨床検査の場合は有病率として調査しておき、感度や特異度は各検査毎に研究しておくことで、検査後確率を推定できる。 * 例 : エイズの疑いでヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の迅速診断キットを用いて感染の有無を調べる場合。 *: 患者の症状などから予想されるHIV感染症の有病率を検査前確率として、HIV感染症迅速診断キットの感度や特異度を研究しておく。 *: HIV感染症疑いの人が100人居たとして、その内実際にHIV感染症の人が80人居たとすると、検査前確率は80%となる。ここで、HIV感染症迅速診断キットの感度が90%だとすると、HIV感染症患者80人中で検査が陽性になる人は(80×0.9=)72人であり、HIV感染症患者80人中で検査が陰性になる人は(80×0.1=)8人となる。一方、HIV感染症迅速診断キットの特異度が70%だとすると、HIV感染でない20人中で検査が陰性になる人は(20×0.7=)14人であり、HIV感染でない20人中で検査が陽性になる人は(20×0.3=)6人となる。すると、検査で陽性となるのは(72+6=)78人であり、その内実際にHIV感染症である患者は72人となる。従って、検査後確率は72÷78で92%になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「臨床検査」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|