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自我同一性 : ウィキペディア日本語版
自己同一性[じこどういつせい]

自己同一性(じこどういつせい、アイデンティティ、)とは、心理学と社会学において、ある者が何者であるかについて他の者から区別する概念、信念、品質および表現をいう。
当初は「自我同一性」(じがどういつせい、)と言われていたが、後に「自己同一性」とも言われるようになった

〕。時にはアイデンティティもしくは同一性とだけ言われる事もある。エリク・エリクソンによる言葉で、青年期発達課題である
== 概要 ==

青年期は、「自分とは何か」「これからどう生きていくのか」「どんな職業についたらよいのか」「社会の中で自分なりに生きるにはどうしたらよいのか」といった問いを通して、自分自身を形成していく時期である。そして、「これこそが本当の自分だ」といった実感のことを自我同一性と呼ぶ。
エリクソンによる正確な定義は様々に存在しているが、アイデンティティ獲得の正反対の状態として、役割拡散や排除性が挙げられている。アイデンティティが正常に発達した場合に獲得される人間の根本的な性質としてエリクソンは「忠誠性」を挙げている。この忠誠性は様々な社会的価値やイデオロギーに自分の能力を捧げたりする事の出来る性質である。これが正常に獲得されないと、自分のやるべき事が分からないまま日々を過ごしたり、逆に熱狂的なイデオロギーに傾いてしまうと考えられている。
自我同一性を獲得するために社会的な義務や責任を猶予されている準備期間をモラトリアムと言うが、これはアイデンティティが確立するまでの猶予と言う意味を表しているに過ぎず、エリクソン自身は青年が様々に葛藤したりする戦いの時期として捉えていた。そのためモラトリアムと言っても当事者自身はアイデンティティ獲得のために心の中で戦っているような様を思い浮かべるのが正しいであろう。この時期に青年はそれまでに獲得してきた様々な自己の部分を整理しなおす。その結果、青年には適切に選ばれた忠誠を誓えるような対象と自己の活動が残り、また否定的な部分は捨てられてアイデンティティとして確立する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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