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自然権[しぜんけん]
自然権(しぜんけん、''ius naturale/jus naturale'')とは、人間が、自然状態(政府ができる以前の状態、法律が制定される以前の状態)の段階より、保持している生命・自由・財産・健康に関する不可譲の権利。人権は、自然権の代表的なものとされている。今日の通説では、人類の普遍的価値である「人間の自由」と「平等」を中心とする基本的人権、並びに、基本的人権を基調とした現代政治理論において、最も基本的な概念・原理であるとされている。ただし、その由来については神が個々の人間に付与したとする考えと人間の本性に由来する考えが存在する。 == 近代以前 == 古代ギリシアにおいて、自然権は自然的正義に基づいて人間本性が持つ権利であると考えられてきた。これに対してキリスト教のスコラ哲学においては神から人間本性に与えられたものと解されてきた。ただし、このような近世よりも前の時代においては自然法に関する議論に重きが置かれ、自然権自体に対する関心は決して高くはなかった。しかも、古代・中世を通じて、自然権は、客観的に正しい秩序に服すべき人間が持っている自然的義務、にセットになって対応する権利と考えられていた。その場合、人間への自然権付与の前提としてのその自然的義務を課す存在(正義もしくは神)が、自然権に常に伴って想定されていた。それで、人間に、義務を履行しているか否かに無関係に、直接的に無条件に付与するような自然法というものの存在は考えられていなかった(ただし、12世紀の教会法学や14世紀のノミナリズムに近代的な自然権観念に近い考えが存在していたとする説もある〔弘文堂『歴史学事典 9』自然権〕)。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「自然権」の詳細全文を読む
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