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自由貿易(じゆうぼうえき、free trade)は、関税など国家の介入、干渉を排して生産者や商人が自由に行う貿易のこと。19世紀に重商主義に基づく保護貿易に対して、イギリスのアダム・スミス、デヴィッド・リカード、フランスのフランソワ・ケネーらによって唱えられた。 現在はWTO(世界貿易機関)が、諸国間の取引のルールを定め、より自由貿易に近い状態が実現されるよう努めている。 == 概要 == 個々の市場で完全競争原理が働いた場合、生産者と消費者は、市場価格による生産・消費によって最大の利益を享受できる〔日本経済新聞社編 『やさしい経済学』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、112頁。〕。このような完全競争原理を国際的に適用させようとするものが自由貿易の理論である〔。 自由貿易の利益は、国際分業(比較優位への特化)によって図られるが、関税などの貿易障壁が高すぎると、貿易の利益は損なわれ利益ある国際分業が起きなくなる。このため、関税などを撤廃する事で、貿易取引を自由に行い経済的な利益を増大させる事が出来ると考えられている。自由貿易の利益は、一方からの所得移転ではなく、経済全体の所得増大によって実現されるため、貿易に関係する両国が利益を得る事が出来る。 自由貿易を行っていけば、どの国においても必ず衰退する産業は出てくる〔野口旭 『ゼロからわかる経済の基礎』 講談社〈講談社現代新書〉、2002年、202頁。〕。自由貿易では、産業構造調整が生じるが、その調整は簡単でもスムーズでもなく、様々な社会的軋轢を伴い、困難な過程があるのが常である〔野口旭 『ゼロからわかる経済の基礎』 講談社〈講談社現代新書〉、2002年、203頁。〕。このとき特定の比較劣位の産業は厳しい競争にさらされ衰退する場合があるため、自由貿易への反対は根強い。 なお、。例を挙げると日本が自由貿易を行なった場合、比較優位な工業へ資源が集中し、比較劣位な農業が衰退する。日本の農業は他国の農業と競争しているのではなく、国内の工業と競争しているのである。 自由貿易に対する批判については、市場の失敗や底辺への競争、反グローバリゼーションも参照。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「自由貿易」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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